C/C++のポインタの概念を説明します。
int i = 10;
というコードがあるとします。 これがコンパイルされたとき、EXEのなかではどう表現されているのでしょうか?
変数の値は、実際にはメモリのどこかに保存されています。 そして「どこに保存されているか」というメモリの住所は、番号で表現されます。 上記のコードは、たとえば
45450721番目のメモリに 10 を代入せよ
のようにコンパイルされます。 何番目のメモリを使うかは、コンパイラが勝手に決めてくれます。
C言語を使えば、このようにどの変数にどこのメモリを割り当てるかを 自動的に割り振ってくれるわけですね。
この、"何番目のメモリ" という番号のことを「アドレス」と呼びます。直訳すれば "住所" ですね。
さて、上記のコードにおいて、変数 i が何番目のメモリに格納されているかが知りたいときがあります。 用語を用いて言い換えれば、変数 i のアドレスが知りたいわけですね。
そういう時は &i と書けばおkです。上記の例では &i は 45450721 です。
C言語には、アドレスを格納するための特別な変数型があります。それを「ポインタ」と呼びます。 ポインタの宣言は
int *p;
のように書きます。たとえば
int i = 10; int *p = &i;
などとします。この p には、たとえば 45450721 などが格納されます。 この例では、p のことを「i へのポインタ」といいます。 「i へのポインタ」とは、"i のアドレスが格納されているポインタ"のことです。
では 45450721番目のメモリに入っている値(すなわち i に格納されている値)が知りたいときはどうするかというと
printf("%d", *p);
と書きます。
*p のことを、「p が指す値」と呼びます。
int i;
という宣言文は「i は int型である」と宣言しています。これと同じで
int *p;
という宣言文は「*p は int型である」、もしくは「pとは、*p が int型になるような型の変数である」と宣言しています。
ちょっと複雑な例を考えましょう。intへのポインタを10個並べた配列 ap が欲しいときはどうすればよいでしょうか?
ap[index] はポインタですね。その指す値(int型)は、 *(ap[index]) で得られます。ですから ap の宣言は
int *(ap[10]);
と書けばよいのです。
次に、intを10個並べた配列へのポインタ pa が欲しいときはどうすればよいでしょうか?
*pa は配列ですから、(*pa)[index] は int 型ですね。ですから
int (*pa)[10];
と宣言すればよいです。
#include <stdio.h> void func(int a) { a = 100; } int main() { int b = 1; func(b); printf("%d", b); }
というプログラムを実行すると、"1" と表示されます。決して "100" にはなりません。
具体的に追っていきましょう。&a は 45450721、&b は 6741 だとします。 main関数のなかでは、まず
int b = 1;
で 6741番目のメモリが 1 になります。次に
func(b);
では、45450721番目のメモリに 1 がコピーされて func の先頭にジャンプします。
func のなかで、45450721番目のメモリに 100 が代入されます。そうして
printf("%d", b);
に戻ってきたとき、6741番目のメモリには何が入っているでしょう?
1 ですね。
このように、関数の引数には、呼び出し元の変数の値がコピーされ(「値渡し」)、 関数内部ではそのコピーされたものしかいじれません。
#include <stdio.h> void func(int *p) { *p = 100; } int main() { int b = 1; func(&b); printf("%d", b); }
を最初から追っていきましょう。&p は 45450721、&b は 6741 だとします。 まず
int b = 1;
で 6741番目のメモリが 1 になります。つぎに
func(&b);
で、45450721番目のメモリに 6471 がコピーされて、funcの先頭へジャンプします。
funcのなかで、45450721番目のメモリに格納されている番号(6471番)の メモリに 100 が代入されます。そうして
printf("%d", b);
に戻ってきたとき、6741番目のメモリには 100 が入っています。 ですから、画面には "100" と表示されることになります。
このように、ポインタを関数の引数に用いると、 関数内で呼び出し元の変数をいじることができるようになります。
以下加筆します