入門編に目を通して呉れた諸君に、詳細なことを書き付けたページ。政治的な事から、數學的實裝、法律、日本での諸制度をネタに、理解を深めるページです。

目次

文字

凡そ三つの文字體系についてふれます。文字には「表音」・「表意」の別があり、漢字は「表意」ですが、「表語」であるとも云れます。文字の役割はこの三つにあるといへるでせう。

表意・表語の特徴は「象形文字」に始まることで、表音は「象形文字」が簡略化され意味が薄れ誕生するのが主。

印歐語族

世界史の印歐語族(ゲルマン系)。基本的にラテン文字を擴張した感じの文字體系で、日本では英語の「イロハ」が一番有名。ABCは日本では英語風にエービーシーとするが、ドイツならアーベーツェー、フランスならアベセ、と多種多樣。これらは皆、ラテン語が諸語として訛り、且つ諸民族母語が混ざつたためとも云はれる。

ラテン文字はギリシア文字に、ギリシア文字はフェニキア文字(セム系後述)より生じたと云はれる。なほスラブ系(東歐)で用ゐられるキリル文字もまた、ギリシア文字に端を發する。

アラビア文化圏

世界史のセム語族。はつきり言つて、我々には歐文以上に理解不能の文字であり、歐洲でもそのやうに考へられて居る獨得の文字。ははあ、でも唯一分りやすい例外にアラビア數字がある、と思ふ君、「アラビア數字」は正しくは「(アラビアに傳はつた)インド數字」であり、「アラビア數字」は別にある。「一」に對する「イチ」と「ひ(とつ)」の違ひだ。原理的なアラビア文化圏ではインド數字をアラビア數字と呼ぶことを嫌ふから氣を附けて欲しい。

アラビア文字はアラム文字、アラム文字はフェニキア文字より生じた。フェニキア文字はユーラシアに於て大きな影響を與へ、セム語族内ではアラム文字として變遷し、ヘブライ文字をも生み出し、インドのブラーフミー文字やその子たる梵字、チベット・モンゴル文字そしてモンゴル文字を眞似た滿州文字などもこれに端を發するといふから、古代フェニキア人が如何に強力な國家を形成して居たかがわかる。ハングルはブラーフミー文字系統とも云はれる。ブラーフミー文字では、「フェニキア文字」ではなく「インダス文字」が親だとも云はれるが定かではない。インダス文字はドラヴィダ語族(南亞細亞、南印度)の文字。

漢字文化圏

世界史のシナ語族。滿洲語のやうにブラーフミー系統の全く違ふ文字も見受けられるが、基本的に極東に於けるモンゴロイドの文化圏で影響の強かつたシナの文字である(滿洲人の帝國である大清帝國では滿洲語と支那語を兩用した)。金文が秦・始皇帝の時代に制定されたので、シナ文字と呼ぶのがふさはしい。南は渤海を越えて越南(ベトナム)、東は日本海を越え日本、・・・と文字としては廣く傳播した。

日本の大和民族やアイヌ、琉球は系統不明だけれど、漢字以外の文字を使用した痕跡は遺つてないので、今は考慮しない。

象形文字に始まり、それを抽象的に用ゐた。秦以前にも地域毎に色々な文字があつたやうだが、始皇帝が焚書などしたので、金文以外の「シナ」の文字は消失した。古くはラテン文字とキリル文字程度の差があつたはづ。金文うんぬんは漢字の「書體」を參照。

殷(商)の殷墟より前、神代の五千年近く前から甲骨文字はあるのに、日本では見つかつて無いのは不思議と言はざるを得ない。日本人はどこからきたのだらう。

漢字の構造

象形文字

單純な文字。「山」など。尤も複雜なのは「龜」などか。「龜」の字にはカメの手足と甲羅、顔が確りと描かれてあり、何となく可愛い。

象形文字は名詞的であり、名詞を形容詞ぽく抽象的に用ゐて「造字」した。「造字」には「部首」と「音符」といふ考へがある

部首と音符

小學校からの漢字學習で扱ふが、今迄一度も認識した事が無いなら猛省すべきである。漢字は「部首」と「音符」を理解すれば簡單に音や意味が類推できるやうになる。すなはち字源から語意を考察する。

部首は字の意味を、音符は發音を擔當する。「當」を音符とする蟷螂(カマキリ)の「蟷」は、「當」と同じ「音」を有し、「タウ(トウ)」とする。「虫」偏であるから、蟲を意味することがわかる。「當(当)」の字は、「常」「黨(党)」などと同じ音符「尚」を有し、部首はそれぞれ「田」「巾(キン;布のこと)」「黑」を有する。「党・黨」は「亘・亙」や「豊・豐」のやうに別の意味の漢字だが、当用漢字では一緒くたにされた。ちなみに「党・黨」「亘・亙」「豊・豐」の意味の差は次の通り。

今のところ、部首と音符で分けて記述できる文字コード體系はない。これを確り考慮できれば漢字の音の檢索が幾らか樂になるかも知れないけど、まだまだこれは先の話。ファイル一覽に漢字があるとあいうえお順ではなくて妙な並びになるけど、改善できたら凄いと思ふよ。

發音の變遷

字音假名遣ひを御存知か。「平塚らいてう」の「らいてう」の部分である。これは「雷鳥(らいてう)」の字音である。

發音は字音假名遣ひを見れば古形がわかる、なかなかのシステムである。幾つか例を擧げる。

古典でわけのわからない假名をみたら、大概字音假名遣ひである(例として"らうたげ"など)。

日本では時代によつて支那へと遣唐・遣隋使などが派遣されたので、彼らが持ち歸つた樣々な「音讀」がある。これを傳播した時代や地域から「唐音」「漢音」「呉音」など呼び習はす。「天皇」と「上皇」の「皇」の發音の違ひは、ここにあり、前者は呉音で後者は漢音と云はれる(註:別説で天皇は天王の轉とも云はれるが、北辰、則ち北極星の神たる天皇大帝を語源とするのが一般的)。「皇」は呉音が「ワウ」、漢音が「クワウ/クヮウ」であり、「テンワウ」の「ノ」の音は「テン」のンに引き摺られた物か。

萬はよく遣ふわりには「マン」の音は日本の慣習的な發音となつてゐて、呉音は「マウ」漢音は「バン」である。

發音にも色々あつて、日本では日本らしく、支那では支那らしく、朝鮮では朝鮮らしく、越南では越南らしく、と變化した。最早別物であり、コード體系で發音を考慮するなら、どれを參照するのかはよく考へなくてはならない。

書體

書體は秦の始皇帝が定めた。この文字の書體を金文といふ。金文は儀式祭禮用の文字であり、青銅などに刻まれた。古くは殷(商)の物や周の物があるが、喩へば殷周革命に活躍する商族(殷族)や羌族(太公望は羌族の一派、姜族の出)、など支那には多くの民族があり、民族にはおのおのの「金文」があつた。支那を統一した始皇帝は、異なる字體は焚書するなどして、文字の統一を計つた。

金文は、甲骨文字など象形文字を簡略化した物と云はれる。秦代以降(學説不定)に始まる印章制度では篆刻用の文字「篆書(てんしょ)」が現れる。金文を印に刻むために變化させた物で、秦代に「小篆」として整理された(金文同樣に)。「小篆」は今常用する「楷書」の原型となる字形であり、今でも印章では「篆書」を遣ふ習はしである。

「篆書」は「隷書」へと變化した。秦代より刻む目的の篆書は扱ひづらかつたのか、より筆記に向いた文字が考案された。隷書は飽くまで「刻む」動作を意識した文字であり、やはり筆記には向かなかつた。そこで生まれたのが今使ふ書體である「行書」「楷書」「草書」である。

「行書」「楷書」「草書」は、そのどれもが「隷書」から發生したと云はれる。「楷書」は普段使ひの文字で、現代の書籍類はこれで印字される。「行書」は「楷書」を速記する物で、多少の省略や連續があるが、「楷書」が分かれば「行書」も讀める。「草書」は、「行書」や「楷書」をより崩した物であり、書き順、筆順がまるで違ふことがあるので、「草書」を學ばねば讀むことはできない。

「草書」は、日本人にとつては「假名」で馴染み深いものである。殆どの假名は、漢字の草書が獨立して生まれたのである。

私はこれら書體の扱ひを考慮する文字コードは「超漢字」位しか知らない。Unicodeなど多くのコード體系では、書體を印字(フォント)に委せることになる。「超漢字」では同じ文字でも書體ごとに違ふコードであるらしい。

なほ近代になり、批判があるものの「ゴシック」などの書體も生まれた。これからも特殊な書體が生まれてゆく可能性は大いにあるであらう。

國字

漢文法、事始め

漢字には國文法とは異なる文法があり、熟語は「正則漢文」の文法に從ふ。それは、外國、支那の文法なのであるから當然であるが、漢文を習つても意識しないことがあり、始末に終へない程「漢字」は國語に溶け込んで居る。

誰しもが意識する漢文法は否定表現であると思ふ。「童貞」を「無童貞」「不童貞」とは云はない。「非童貞」だ。若しや「否、童貞」で惡いか、などあつて、否定表現を小學校の國語では完璧に扱へるやうに學習する。

實際に「非」「不」「無」を見てみる。「非」は「體言」を否定する副詞・形容詞的な奴で、漢文では「〜アラズ」と讀む。「不」は「〜ズ」と讀むが、これが否定する對稱は「用言」である。「童貞」は名詞表現であるから、「不」が附かなかつたのである。

さて一方で「無」はどうだらうか。これは「有」の對義表現で、存在の有る無しのみを表現する。よつてこれは助動詞的性格の強い「不」「非」と比べて、極めて形容詞的であるといへる。

漢文を簡單に見てみた。「非童貞」何て言葉は辭書に無いし習はない。けれども自然と使つて居る表現である。「誰しもが意識する」とはこの事を言ひたかつたのだ。細かいことは漢文をやつて欲しい。英語の文型のごとく、動詞の位置とか構文・表現がイロイロあります。學校では「置き字」は飾り程度に扱ひますが、實際は置き字にはちやんと意味があり、場所・方向などを表す重要な「前置詞」的存在です。

若し日本語の文章を形態素解析(品詞考察)する必要があるなら、漢文に就ての實裝も必要なのかも知れない。

漢字に關する法諸制度(日本國)

訓讀み

漢文を訓讀する過程で發展したらしい。國語の音を外國の文字に振る發想は「振假名」と共に日本人が誇るべき發明である。

原則として、漢字の熟語は訓讀だけか音讀だけかの讀みになる。則ち、分らない熟語があれば漢字の音讀みだけを考へて綯い交ぜにしてはいけないよといふこと。訓讀のための宛て字では、宛てにならないけれど。

假名

書體でも述べたけれど、漢字の草書などから獨立したもの。明治以降は學校教育用に假名が決定されたけれど、明治以前は變體假名といつて、今使ふ假名以外の字體もあつた。

天麩羅屋なんかだと暖簾の「ふ(不)」の字が「婦」の草書であることがあつたりする。これはどう考へてもをかしい字形だからすぐわかる。夏目漱石は「か(加)」の變體假名である「可(形は"す"に近く、"一"と"の"を足した感じ)」の字を原稿に書いてたりする。今は滅切使はない。

變體假名は一風變はつてるけれど、違つた面白みがある。

当用漢字

常用漢字に移行。聯合軍の情報管制下であつたので憲法同樣に策定段階への批判がある。學者からの批判もあるけれど、それは字形の統一性が薄れたことに對して。

常用漢字

印刷標準字體(康煕字典體)

近代印刷技術は明治に完成する。振假名をルビ(ruby)と呼ぶのは、政府が印刷技術を輸入した英國では印字を寶石の名で呼んで居たのだけれど、振假名を小さな印字で代用してそれが ruby と呼ばれた印字であつたから。同樣に英國では漢字の印字などなかつたので、日本では獨自にそれを作つた。この時の字形は今でも殘つてゐて「印刷標準字體」など呼ぶ。

印刷標準字體は、清代康煕の支那で制定された康煕字典の字體が參考にされた(選ばれたのは字典として格式があつたから)ので、康煕字典體とも呼び、康煕字典體とは繁體字・舊字体・正字體の別の呼び名でもある。

例として印刷標準字體では「外」「化」の「ト」「匕」の接點が突き拔けてあり、教科書體を除き多くの印刷屋は未だにこの字形であるが、当用漢字以降はこの字形での學習機會は全くないし、誰も意識はしてゐない。「雪」「婦」「歸(帰)」などでは「ヨ」眞ん中の線の部分が突き拔けるか否かの違ひがあり、突き拔けるのが康煕字典體だが、最近は突き拔けない字體が増えて居る。

印刷屋はかういつた些細なことでも振回される不幸な人たち。

JIS漢字(日本工業規格漢字)

JIS漢字コードの第X水準って?

人名用漢字

簡体字と繁體字(支那・臺灣)

簡体字は中共が、繁體字は傳統的(traditional)な字體として臺灣で採用される。繁體字は舊字体・正字體などと同義。

簡体字の崩し方は草書などを見た物があるけれど、常用漢字基準から見て常用漢字論者でも「これは酷い」と云ふことがある。

南北朝鮮

原則廢止。北朝鮮や韓國では漢字を使用する時は、印刷標準字體(康煕字典體)になる。これは日本や中共や樣に新たに簡略字體を定めなかつたため。

實裝(主に於日本語用)

ASCII

區點コード

JIS(ISO-2022-JP)

Shift JIS

EUC-JP

Unicode

UTF-8

UTF-16

UTF-32

超漢字(BTRON用)

附録

入力補助・IM(Input Method)


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