英語

英語苦労している人がいるみたいなんでちょっと書いてみます。ちなみに俺は英検5級。

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どの程度の英語力が必要か

基本的に理系の文章は、簡潔明快である事が求められます。これは英語も日本語も一緒です。小説のようにごちゃごちゃした表現や、1文で複数の意味を持たせたりするような事はありません。なので必要とされる英語力は文法に限って言えば中学生レベルでも構いません。

英語をネイティブに話す人の割合の方が少ないわけですから、怖がらずにチャレンジして下さい。

いきなり難しくてわかりません><

WikipediaにはSimple Englishがあります。ここで練習してみるのもいいかもしれません。

Master English Grammar

大変私見であるけれど、ある程度このページを開いてくれた諸氏に英文法とその心構えを繙きたいと思う。

たとえば厄介な語である「as」は、たいてい前置詞「〜として」の意味で登場する (接続詞や関係代名詞にすることは無いね、メソッドが普通の文章ではおかしいだろう)。 Objective-C の Cocoa が好例であるけれど、英文を略さずに確りと示す API ではメソッドから意味が類推しやすいし、使う単語からも動作を理解しやすいだろう(註:Cocoa では略語を用いないためメソッド名が長い)。

学校で習う英文法は、英語学習と恐らくは equal(イコール、同じ)であつて、それに拒否反応を示すことも多い。 けれども、この英文法は疎かにできないものであって、本当の英語力には必須の分野である。 まだ疑問に思う君はおそらく「でも英語喋れないし聞き取れないよ」と考えていることだろう。 勿論、その通りである。しかし、こういった聞き取りに関しては留学しろとだけアドバイスしておこう。 日本にいる限り身に付かない反面、ある程度英語学習ができた者なら一ヶ月から三ヶ月で日常会話はできるはずである。

一方で英文法であるが、これの重要性は Shakespear は讀めるかの問ひを考へて欲しい。日本では近代文に於て難解な内に入る森鷗外の舞姫を思ひ浮かべて欲しい。「石炭をば早や積み果てつ」のアレである。なかなか讀めた物ではないだらう。さうなのだ。日本の英語學習は讀み解くこと、讀解を重視してゐる。また、英文法に關しては高校と雖も歐州ではラテン語學習に用ゐるやうな「語學」的專門性がある程度見受けられる。

理系であればこそ、かういつた「語學」などの學習に於ても學問的姿勢を志して欲しい。全ての分野には必ず學問としての學習法があり、解法がある。

ちなみに私の英語力は、英檢では三級どまりである。先項までの彼とは別人だよ。二級以降は莫迦らしくてとつてないのだけれど、三級をとつた時は文法的なこと(たとへば文型だとか語法だとか)は全くといつて言ひほど分つてなかつた(はづかしい話だが)。三級は中學なみの學力を有するといふから、中學で習ふことは體系地味てなくても理解できる(網羅的に憶えればよい)といふ證左なのだけれど、兎も角本當の英語力ではないから參考にせぬやうに。

英語學習の分野

この三つを常に心がけて欲しい。實際には次の應用になる。

會話は人間には備つてる機能であつて、訓練次第だ。讀字障礙といふ病気があつて、話せるけど字がてんで讀めぬといふ物がある。これの原因は、人間にはそもそも字を讀む機能が腦にはないからであると云はれてゐる。君逹も肝要なのは、人間には本來備はつてゐないことを「學習」することなのだ。赤子は教へねど話せはするが書きはしないし讀めもしない。誰かが諭す必要がある。

讀解は英文法と語彙をフル活用する場である。學習は恐らくこれから始めると宜しい。

書取は國語と英語の接合を行ふことである。英語で思考するには長い年月が必要であつて、簡單なのは國語の概念を適當に置換ることだ。通じる英語を話すには、英文法を知らねばならない。單語だけならべても(簡易なら通じるけど)、確りとはしない。

英文法とは

あまり子むづかしく考へないで欲しい。文法には二系統あつて、語彙に關するものと、純粹な文法に關するものとである。語彙に關するものは語法と呼ばれ、これは時代と共に變化する。簡單にいへば、「世を貪らざらんぞいみじかるべき(徒然草)」のやうな古い表現を「語法が違ふ」と表現して、「世を貪らざらん」などの語順のやうな文章構造を(純粹な)文法といひ、これは時代が變化しても一致せねばならない。若しこれが變化すれば「違ふ言語」になつてしまふし、よく言葉は變はるものとか聞くけれど、これは語法が變はるのである。そして、英文を讀む上で一番厄介なのはこの語法なのである。まづは文法から話をしよう。

文法から習ふならば、文字、品詞の種類、文章構造(SVの文型)などになるだらう。すぐに時制へと移り、態、法、相、といつたものへ學習が進むはづだ。その際、君がまだ漢文や國文法を知らないやうといふなら、それも學習した方がよい。相乗效果といふやつで、比較的似た概念が山ほど出てくるからだ。ただ似てるのではなくて、差異があり、その差異を認識する、すなはち比較することで、英文法の正しい輪廓を視ることができるのではと期待する。比較は人間的思考の原點であり、これをすることで論理的内容はだいたい頭に入る。文法基礎語彙として、be動詞や接續詞が擧げられるけれど、すぐに憶えてしまふだらう。

一方で語法は常に學ばなければなるまい。出齒龜事件といふのがあつて、今でもスケベを出齒龜をいふのは明治のこの事件に起因するのだけれど、此の時に「出齒龜」といふ語が生まれた。當時は「出齒る」なんて言葉が流行つたと鷗外は書いてるけれど、かういつた言葉の遣ひ所に關する文法事項を語法と言ひ、專ら語彙を必要とする。知らなければ「やーい出齒龜」と罵られても何の事とかサッパリである。またこの「ノノシル」も平安時代には「大きな聲をだす」ことであつて、今の意味はない。これも語法だ。

最近は「これまじやばくね?」「え? なにがやばいの?」といふ會話を聞く。これは笑ひ話で、前者は「これってすごいよね」位の意味で「やばい」をつかつたが、後者は本來の厄場(やくば)といふ刑務所的な場所を指す言葉から「あまり宜しくない事」の意味となつた言葉として捉へてゐる。何だ、日本語が壞れてるなど目くじらをたててくれるな。「まじやばい」に似た表現は古文にもある。それは「いみじ」などであつて、かういつた表現で用ゐる場合は「程度の甚だしさ」を表す。「まじやばい」といふ語を知ることが語法の學習、形容詞は時に「程度の甚だしさ」を表し本來の意味は薄れるといふ不偏的語學特性を學ぶことが文法學習だ。

少し英文法を知つてる君に話すなら、原型不定詞はもともとto不定詞でtoが省略されたといへば、なぜ原型をとるか理解できよう。かういつた何故に答へる學習が語學としての學習である。

英會話と發話、其の他雜多なこと

英會話がしたい? ブリテンに留學しろ(單語レベルなら發音のわかる辭書などもよい)。American だとか、British だとかあるけど、世界的には英國が標準で、日本の如き米英語はめづらしいみたい。豪州など幾つか方言あり。英國ではアイルランドなどの影響もあるとかないとか。綴りであるとか、語法であるとかも、少しかはりますが、方言によつて使ふ語が違ふアクセントが違ふなどは日本でも同じ。

綴りは、「思ふ」を「オモフ」とするか「オモウ」とするかであつて、今は義務教育もあつて政府が決めてる感が強い。朝鮮では韓國はハングルにするか、漢字混じりかなども綴りの内に入るけれど、ハングルの正書法がない爲困つてるらしい。

正書法は、どうやつて文字を綴るかの規則であり、基本的には古典に習ふことが多い。といふのも、字を書くときは昔の人が書いた物をみる必要があり、氣がつくと古い物になつて發音と乖離したゼ、といふわけだ。日本では歴史的假名遣ひを元にした「現代かなづかい」「現代仮名遣い」といふ綴り方を採用する。「こおり」「おおかみ」は「こうり」「おうかみ」ではないのと問はれれば、歴史的假名遣ひでは「こほり」「おほかみ」とあり、このホをオにした(ハ行をア行にの規則に基づく)と説明される。歴史的假名遣ひは非合理として始まった現代かなづかいでは、「食ふ」を「食う」にした規則と整合性を持たせる必要があつた。

斯樣に、國により樣々な正書法が存在する(昔からの文字無き國は別)。英語では -se と -ce の違ひなどが生まれるけれど、あまり意識しなくて宜しい。好きな方を憶えたまへ。しかしAmericanに許りふれてゐるといざBritishがくると、「あれ?このスペル知らんわ」状態になるから、書き分けがあること位は頭の隅に置いて於いて欲しい。

初級簡易英文法拔萃

まづ品詞ぐらゐ意識して欲しい。けれど古文に於て品詞分解に精を出す許りではないことから明らかなやうに、これが主眼ではない。飽くまで讀解を助けるために品詞を意識して欲しい。

讀解がある程度できるやうになれば構成の爲の英文法を意識するやうに。「英から和」と「和から英」の回路は近いやうで異なる物である。始めて因數分解をやつたときのモヤモヤした感じ、とでも云へばよいだらうか。

品詞の種類

普通、冠詞・助動詞は副詞・形容詞扱ひとする。

冠詞は印歐語獨得の物で名詞の格を示すためにあつたりするのだけれど、格變化を喪失しためづらしい言語である英語では「a」「the」ぐらゐしか登場しない。

格變化は文章構造を決定づける要素なのだけど、すなはち I my me のやうな變化で續くおのおの單語との關係を示してゐた。しかし英語ではこの關係を動詞を中心とした「語順」で判斷する。日本語は「助詞」との膠着で意味を決定するが(特に格助詞と呼ばれる)、英語に於いては「語順」が肝心となる。語順は動詞の種類である程度決まる。これをして語法と呼ぶ。

それから、次の名前を聞く事がある

やや特殊であるから區別するだけであり、とくに品詞といふ訣ではない。準動詞や關係詞に關しては高校の學期一杯を使つてまで説明できる内容であるから、相當にややこしい。

構成單位

この四つで構成される。「文>節>句>語」となる單位であり、接續詞は節を繋ぎ前置詞は句を繋ぐ。節や文には必ず主語と述語がある。動詞は準動詞を構成して句や節を作ることがある。

英語の五文型(Sentence Pattern)

最後は付け加へた。どの文型に於いても必ず主語と述語が存在する。すなはち、これは節や文を考察する爲の方法論である。

第一文型は主語(S: Subject)と述語(V: Verb)だけで構成される。これを構成する動詞を完全自動詞(Complete Intransitive Verb)と呼ぶ。

第二文型は補語(C: Complement)が加はり、述語によつてS=Cの關係を示す。これを主格補語(SC: Subjective Complement)と呼ぶ。A is B の關係であり、これは「AはB」の單純な構造を示す。述語の作用を補ふ役割から補語と呼ばれ、この述語動詞を不完全自動詞(Incomplete Intransitive Verb)と呼ぶ。

第三文型は目的語(O: Object)が加はり、述語は作用を目的語に向け、これを直接目的語(DO: Direct Object)と呼ぶ。この述語動詞を完全他動詞(Complete Transitive Verb)と呼ぶ。

第四文型は第三文型へ更に目的語(O: Object)が加はる。與格とも云はれるこの構造は、前置する目的語を間接目的語(IO: Indirect Object)、後置する目的語を直接目的語(DO: Direct Object)と呼ぶ。間接目的語は「〜に」、直接目的語は「〜を」、の關係を表す。作用の對稱を更に明確にする感じ。前置詞を用ゐて SV iO dO の構造を SV dO for iO など第三文型にすることができる。この述語動詞を與格動詞だとか授與動詞(Dative Verb)と呼び、この目的語を併せて二重目的語(Double Verb)と云ふ。

第五文型は第二文型または第三文型の發展みたいなやつで、これの補語を目的格補語(OC: Objective Complement)など呼び、第二文型の時は主格との關係を表したが、こちらは目的語とO=Cの關係を表す。この述語動詞を不完全他動詞(Incomplete Transitive Verb)と呼ぶ。

他の文型としては、「SV to do」、「SVO to do」、「SV to do.... doing...」などがあるけれど暫くは無視して欲しい。

重要な品詞

やはりそれは名詞(Noun)、形容詞(Adjective)、副詞(Adverb)、そして動詞(Verb)である。これらは先の文型の要素であるからだ。SVOCの四種類は次をとる。

品詞\要素SVOCM備考
名詞-名詞相當語句を含む
形容詞--形容詞相當語句を含む
副詞----副詞相當語句を含む

動詞は、準動詞とならねば、當然 V のみ。M は修飾語(Modifier)のことで、SVOC を主要素と呼ぶのに對して從要素と呼ぶ。重要なのは、修飾語が文型と關聯しないことであり、副詞とみればこれを取り除いて文型を考察できる點にある。副詞は補語と間違へやすいので注意。

代名詞は名詞の一部と看做せ、これは目的語や補語をとることができるが、主格補語か目的格補語かで格變化を起す。主格補語ならば主格(I ならば I)をとるが、目的語及び目的格補語そして目的語相當(たとへば前置詞の目的格など)ならば目的格(I ならば me)とする。my や 's などは所屬を表すので屬格だがあまり意識されないので、副詞だとか形容詞だとかの認識が一般的らしい。

名詞の修飾語欄は、名詞が名詞を修飾するが如き同格を意識した。同格は文章における格が同じであるといふことであり、嚴密には修飾關係ではないと思はれる(兩方とも同じ格を爲すから)。幾らか説明的である。文語で遣れ、口語では少ないか。日本語にもあり、古文でお馴染み。同格關係は大變特殊な場合であつて、なほかつ同じ格であるから、どちらであつても文章が成立つ。從つてこれを滿たさない場合は接觸節(關係代名詞)など省略表現かなと疑ふべきである。

形容詞の目的語欄は、名詞相當となつた場合を意識した。形容詞は時に名詞の如く振る舞へる。かういつた例外を除き目的語は名詞しか取らないことを意識して欲しい。

相當語句とは、先程疑問代名詞など擧げたけれど、これがさうである。節や句も必ず名詞か形容詞か副詞かの働きを示す(名詞節、名詞句など)。なほ倒置表現があつて、これらの關係を亂すことがある。

修飾先は決まつてゐて普通は、形容詞は名詞を修飾し、副詞は動詞や形容詞か副詞を修飾し、名詞は同格に於て名詞のみ修飾する。形容詞は、敍述用法か限定用法に分けられ、敍述用法は補語としての用法(〜は赤い)、限定用法は名詞を修飾する用法(赤いリンゴ)である。副詞は名詞相當語句を修飾することがあるが、普通は名詞以外の要素である。

代名詞の格變化

英語はこれだけ憶えればよい。文法基礎語彙であるから、さつさと憶えて呉れたまへ。

代名詞人稱主格屬格對格再歸代名詞備考
PronounPersonGendera Singular or Plural FormNominativusGenitivusAccusativusReflexive格名はラテン
I第一人稱兩性單數Imymemyself主格は何故か必ず大文字
we第一人稱兩性複數weourusourselfs----
you第二人稱兩性單數・複數youyouryouyourself(s)古英語は單複の差あり
she第三人稱女性單數sheherherherself----
he第三人稱男性單數hehishimhimself----
it第三人稱兩性單數ititsititself形式主語で活躍
they第三人稱兩性複數theythirethemthemselves----

對格は目的格のこと。屬格、對格ともに英語では無いに等しいけれど、一應用語なので。格變化が二〇近い言語もあるのだから樂ぢやないだらうか。

再歸代名詞は再歸目的語を形成する要素である。前置詞が絡むとややこしい意味になる。youの場合のyourselfは複數か單數かでsがつく。

you は單數も複數も取りうる。それ以外は適當に遣ひわけること。また疑問詞なども變化を若干の持つ。關係代名詞も當然あるけれど略。

疑問代名詞主格屬格對格
Interrogative PronounNominativusGenitivusAccusativus
whowhowhosewhom
whatwhat----what
whichwhich----which

所有代名詞(獨立所有格)のmineなどはまた別の所で學ぶとよい。その時は修飾關係を深く意識せよ。

準動詞端書

單純な文から一歩進んで最初に躓くのはこれに相違あるまい。動詞の意味、どの品詞(名詞・形容詞・副詞)なのか、動詞の主語はどれか、を意識せねばなるまい。

初級英文法不定詞篇

to不定詞と原型不定詞があるが、不定詞として俎上に載せるのはだいたいto不定詞である。品詞が定まらぬからその名がある。目的語のやうに振る舞ふ時に動名詞と意味が異なることがあるので注意(n. stop to do, stop doing)。

前置詞toを辭書で引いてみると、注意書きの量は辭書によるが、不定詞を導くことに關してビツシリと書いてあつた。前置詞toにわざわざ文法事項を書くほど、不定詞には前置詞toの影響が強い嫌ひがある。to は方向・到逹を表すが、不定詞もまた核となる動詞が導く先があるのである。そしてその導く先は何かといふと、不定詞を聞いたネイティブの頭の中では、それをするとどういふことになるだらうか、といふことがフツと浮かぶのである。

名詞的用法(主語・補語・目的語になる)

  1. To do is to do.(~することは~することだ: SVC)
  2. I like to read.(私は讀書が好きだ: SVO)

最初のは典型的な不定詞の使用法の一つで主に「〜すること」と譯せる。ここではSとCになつてゐる。それからこの理屈でいへば to read は「讀むこと」だが、ここでは讀書と漢語にするとよい。名詞的用法の場合はだいたいこんな譯でいい。導く先は自己完結してゐて修飾先は無いのだ。

形容詞的用法(敍述用法・同格的用法)

  1. something to do(何か~する物)
  2. This is a place to walk.(歩くのに持ってこいの場所だね)
  3. a house to let(貸家)
  4. a plan to do(~する計劃)
  5. There is no need to be in a hurry.(急ぐ必要は無い)

一番目は憶えろとよく云はれる表現であるが、形容詞的用法では「〜するための」の意味を持つ。名詞を修飾するとき、「導く先」は何かといへば、その名詞の役割や價値を敍述することが殆どなのである。最後二つは同格で、導くことの應用である。最後の最後は少しむつかしいかもしれぬが、所謂 There is 構文である。更なる應用をひとつ。

「新聞の見出しに用ゐる」とある「(これから)・・・しようとする」の意味の例文を辭書から搔つ攫つてきた。「新聞の見出し」にこれを用ゐる理由は何であらうか。Japan が to warn(=警告する) ことを讀者に聯想させる效果があるからである。そしてその理由は前置詞toの作用であることは述べた。未來へと意識を導くのである。

副詞的用法(主に原因・理由の明示)

意味上の主語と重要な表現

  1. of A to do → It is ~ of A to do.
  2. for A to do → It is ~ for A to do.
  3. S be to do

不定詞の核は動詞であるから、やはり主語が必要である。

少し譬へ話をしよう。「消しゴム」「消印」の主語は誰か、「消す」のは誰だらうか。他でもない文具を用ゐ、または印を押す局員、これは自明である。

意味上の主語とは、かういつた隱れた動詞の主語なのである。喩へば something to do は成句として出したが、something cold to drink(=何か冷たい飲み物) を呉れ、だとか、〜如何ですか、なんて文脈の場合、something cold to drink を飲むのは他でもない、呉れといつた要求者、如何ですかと勸められた本人なのである。Japan to warn の場合、to warn するのは Japan であつた。幾つも例を擧げてみたが、どれも主語は文脈からしか決定できない。然し例外もあるのである。それが冒頭に掲げた三つの構造を持つ文である。

to do の主語は for や of で前置された he である。for と of の違ひはといふと、前置詞の意味の違ひがよく出てゐて、for は判斷を表す非人稱形容詞(簡單つてのは人には適用できぬ)に、of は性質を表す人稱形容詞(愚かなパソコン、何て表現は擬人的で、實際には人にしか遣へぬ)の後にくつ附いてゐる。of は關聯を表すから、性質を表す意味がある、とかは追々學んで欲しい。

be to do(形容詞的用法) は更に重要な表現であるが、これは「~する状態になる」ことを表す。to が方向を be がその向きに同一である事を示すわけだ。動詞は be の述語動詞であるが、この構造は受身もとれるので注意。

上の例文は"豫定"を表す表現で、公式の豫定「〜することになつてゐる」を表す。他に義務(=should)「〜すべきだ」、可能「〜できる」運命「〜する運命になつてゐる」意圖「〜したいと思ふなら」目的「〜するためのものだ」の意味が有る。順番に押さへておくやうに。

不定詞について其の他のこと。

完了形や受身の不定詞は上記の形をとる。受身の不定詞は意味上の主語に注意。

副詞は不定詞の前か後につけるが、時に to M do となることがある。それが最後の例で、これは"come to"が成句なので、その意をくんでの事である。これを分割不定詞といふが稀である。さうせねば意味を損なふ時だけこのやうな修飾表現がなされる。

前文は略してあるが、前の節では何かする積りである旨を述べ、しかしそれを忘れたと述べてゐる。前の節で何をするか具體的に述べたので不定詞の動詞を省略したのである。これを代不定詞と呼ぶ。一般に、wish や have to、forget など心理的聯想を伴ふ動詞で用ゐる。

「助動詞」「知覺動詞」「使役動詞」など以上のやうな例では to を略した原型不定詞を用ゐる。ただし、「知覺動詞」「使役動詞」では受身にするとtoが復活するので厄介である(一部例外あり)。それから慣用的に to を略すこともある。

初級英文法分詞篇

現在分詞

過去分詞

分詞構文

初級英文法動名詞篇

誰がみても動名詞は動詞が名詞として「活用」した文法事項なのである。しかし現在分詞と同形である。だからこの動名詞の難点は、上述の現在分詞と較べた時に「形容詞として敍述してゐるのか」それとも「意味上の主語を從へてゐるだけなのか」を見極め難いことがあることだけなのだ。

古英語からの變遷

古英語の動名詞は歴然たる名詞であつたのだといふ。今の英語ではその役割は不定詞の名詞的用法(〜すること)が擔ふ所の物である。

さういつた歴史から動名詞の表現、特に動名詞の意味上の主語・述語は厄介な表現を強いられてゐる。

學習書

語彙のために個人的にはラテン語由來の語の語源を纏めた本を薦めたい。暇な時に眺めれば、ラテン語に基づく「全ヨーロッパ的」語彙が身に付く。語彙に關しては適當な物でよく、センター向け程度で充分だらう。勿論、たくさん文章を讀むならばそれだけでも相當な語彙を拾ふことが可能だらう。

私の高校では初年にこれを渡された。なかなかの良書であり、讀解に關してはこれだけで充分と思はれる。「マスター英文法」で有名な中原氏であるが(マスター英文法もオススメ)、併用すると宜しい。「誤譯の構造」などの著書や、旺文社のセンター向け英文法の問題集「基礎英文法問題精講」などもある。ちなみに私の高校では「誤譯の構造」を除く三つを渡されました。

聞いたこともないやうな出版社であるが、學參として生殘つてるのが良書のあかしとでも思て欲しい。英譯(英作文)に關してはこれをやりこなせば充分かと思はれる。佐々木氏には「英文構成法」「英文解釋考」などの著書がある。英作文は、まづ英文を憶えることから始めて、その英文を英文法を使つて組換へ、出力することを心がけて欲しい。

私が(ry そのに。和文英譯の修業と同じパターンの著書だけど、やや内容は薄い。かういつた本は、どれだけ暗唱例文があるか程度の差しかない。これも良書。日榮社は 30日シリーズとかがあるけれど、適當にこなしておけばよい。

私が(ry そのさん。長文を讀むことは綜合力を問はれる(云々。そこらへんはとりあへずこれの前書き讀め。先程の中原氏が著書。

ひたすら讀解するための本。何故さうなるのか、ここにこの語があるのは何故か。かういつたことをわづかな例文、ただし高度な英語力を必要とする、と共に讀み解く「解釋」のための本。本屋でみかけたので紹介までに。

タイトル忘れた。たかが冠詞と侮るなかれ。英語は冠詞に始まり冠詞に終る。英國民でも何故かはわからぬ「感覺的」な冠詞の遣ひ所を確りと論ずるための本。英語の總決算として挑んで欲しい。

洛陽社で尤も有名な學參。古文のために擧げた。小西博士は國文法の研究者としても名高い方らしい。洛陽社は良書が多いので適當に見つけて欲しい。小西博士には他に「國文法ちかみち」など著書あり。

數學の問題集。多分、ⅠⅡⅢABとやれば充分。スキルとして必要でせうから擧げた。

學參總括

實をいふと、ここに擧げた本の殆どは初心者には向かない本許りであり、人によつては大學院で大丈夫な位と評する内容である。慥かに高校レベルからはみ出すこともあるし、むづかしい。けれどもこれらは本當の力がつく良書である。かういつた荒療治な方が個人的には有效だと(私には有效だつた)思ふので、ある程度オツムに自信があれば挑戰して欲しい。

わかりやすさ許りを求めた現在の状況を私はあまり好きではない。むしろ、オリジナルといふ數學問題集のやうに答へがサッパリしてゐて自分で考へるタイプの方が勉強には向いてゐると思ふ。


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