// 2009/01/25 数学から切り取り。過去のログはそちらに。 [[数学]] > 行列 *行列 [#m3eac589] 行列はもともと数学的探究によりうまれた。ベクトル成分を縦横に拡張すればどうなるのだろうか、といって始まったのである。 #contents #br **概念 [#ee1b6841] 横の並びを''行''、縱の並びを''列''と呼ぶ。すなはち''行列''である。重要なのは縱か横かでいえば横かと思われる。おのおのの成分には座標のようなものがあって、第i行の第j列にある成分を(i,j)成分と呼ぶ。 行ごとに左から右までの全ての成分をとりだして(第i行の)行ベクトル、列ごとに上から下までの全ての成分をとりだして(第j列の)列ベクトル、なんて呼ぶ事がある。 行列AとBがあり、このAとBの縱と横の成分の数が一致する場合を「AとBは''同じ型''である」と言い、その成分がおのおの全て一致する場合はその行列を「A=B;AとBは''等しい''」と判断できる。 **足し算 [#maf0766b] 各要素をそのまま足せばいいが、''同じ型''である必要がある。差分も同じ。型が違うと誰と足せばいいかわからなくなるでしょ? &mimetex(\begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 3 & 4 \end{pmatrix} + \begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 3 & 4 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 2 & 4 \\ 6 & 8 \end{pmatrix}); 難しく書くとこんな感じ &mimetex(\begin{pmatrix} a_1 & b_1 \\ c_1 & d_1 \end{pmatrix} + \begin{pmatrix} a_2 & b_2 \\ c_2 & d_2 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} a_1+a_2 & b_1+b_2 \\ c_1+c_2 & d_1+d_2 \end{pmatrix}); **掛け算 [#f35f52e9] ***定義 [#e4e0a964] &mimetex(C_{ij} = \sum_{k=1}^m a_{ik} b_{kj}); 行列AとBがあり、''AにBを掛ける''時、「Aの行ベクトルとBの列ベクトルの積(内積の計算方法に同じ)」を新たな成分として行列に変換する作業です。内積の定義から、''Aの行ベクトルとBの列ベクトルの成分の数は同じ''である必要があります。新たな成分とする場合は、「Aの''第i行の行ベクトル''」と「Bの''第j列の列ベクトル''」の積の場合に、''(i,j)成分''とするのが決まりです。 以上から、足し算同様に掛け算を行うには制限があることがわかります。すなはち行列AとBの場合は、Aの''列の数''(行ベクトルの数)とBの''行の数''(列ベクトル)が一致する必要があります。行だとか列だとかややこしいので、図面を書いて確かめるように。 式ではこれを「AB」と表しますが、別に''BにAを掛ける''として「AB=BA」となるとは限りません。それは上述の掛け算の定義から、よくわかることだとおもいます。 ***例 [#u48762d4] かけていく順番がややこしいのでよく追って確認してください。 &mimetex(\begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 3 & 4 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} 5 & 6 \\ 7 & 8 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 1 \times 5 + 2 \times 7 & 1 \times 6 + 2 \times 8 \\ 3 \times 5 + 4 \times 7 & 3 \times 6 + 4 \times 8 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 19 & 22 \\ 43 & 50 \end{pmatrix}); 右側の行列を上にずらしてみるとわかりやすい &mimetex(\begin{pmatrix} 5 & 6 \\ 7 & 8 \end{pmatrix} ); &mimetex(\begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 3 & 4 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} 1 \times 5 + 2 \times 7 & 1 \times 6 + 2 \times 8 \\ 3 \times 5 + 4 \times 7 & 3 \times 6 + 4 \times 8 \end{pmatrix} ); **一次変換 [#m34df7e6] **廻転 [#sa9c9df3] -[[ベクトル]]と[[線型代数学]]に続く