物理

はじめに

物理は自然科学でも特に古い歴史があります。

化学は、古代の四元素説から中世の錬金術そしてフロギストン説を近代まで引きずる中で、アボガドロにより原子の概念が正しく与えられ、長岡・ラザフォードそしてボーアにより量子力学につながる原子模型の定義がなされ、近代に於いてのみ現在の化学が認められます。また生物はフック(フックの法則の人)により細胞壁が発見された頃や、古くからの農耕技術の獲得の系譜に、近代生物を見出すことができます。

一方の物理は古くはアルキメデスの原理然りで、可成り昔から理解されていました。古代ギリシアでの物理とは力学の範囲になりますが、これが古くから在るということは、普段一般に目にし易い現象であり、理解しやすい(または近似的値を得易い)現象であるということです。もちろん天動説なんてものもありますが、古来は地動説があったらしいので、とくにそれが物理の興隆を近代にのみ求める理由とはならないでしょう。また、化学・生物に比べても、公汎な範囲を扱います。

尚ここでは高校物理の範囲を中心に物理学を解説します。始めはVIP的物理講座(初級編)をみればいいかも知れませんよ。

目次

ここに書いてあることをマスターすればマリオみたいな自然な感じでジャンプしたり落下するアクションゲームが作れます みんな勉強しよう!

必要な知識

絶対に数学が必要だと謂わざるを得ない。数学ができないなら、先に数学を理解しておくべき。てか数学できないのに物理はできる奴とか見た事無い。最低限、二次函数・ベクトル・円函数、についてとかは必要だ(数Ⅱ・Bまで)。ぶっちゃけて謂うと数Ⅲ・Cに加えて、外積計算とか、微分方程式(数Ⅲの最後にあるけど)を変数分離法で解く方法とか、知識はあった方がいい。でもそこまでやるなら、大学の線型代数学からのアプローチの方がいい部分もあるから、数学的証明については深入りしすぎない程度の記述になるかも。

通常の公立高校のカリキュラムでは、数学の理解と物理の理解は同時並行的な物となる。つまり「先に数学を理解しておくべき」という筋は通らない、時間がないからだ。中高一貫校だと余裕があるから、さっさと数学をやらせたりするけど(早いとこだと中学のうちに数Ⅱとかやったりする)、これには理由がある。高校物理も化学も数学の知識が無いと答えの導出に理解が及ばないことがあって、だから先に学習させようとするわけ。進学校だと高二の夏とか冬までに数Ⅲが終わるそうだから、卒業時には浪人生と同じぐらいの余裕が生まれたりもする。

というわけだから、学生ではないなら時間に余裕もあるだろうし、数学からやってほしい。数学ができたなら、物理に戻って、理解していって欲しい。しかし理論だけが物理ではないから、高校数学程度でいいと思います。「ビオ・サバールの法則」なんて証明すら載ってないからな! (高校生向けの証明を御存知の方、御待ちして居ります・・・てかこの公式は普通いらないけどね)

そういえば電磁気学ではインピーダンスを複素平面に写すみたいだけど、リアクタンスが虚部でどうのこうの、というのは旧課程の「複素数平面」の知識が必要だから、改めてみておくとよいかもしれません(復活するかも知れないらしいけどどうなんだろう?)。

自然科学の心構

数学では原点の如きが与えられる事が多いが、自然科学では自分で決めねばならない。鉛直投げ上げの単純な問題も、どこを高さ0にするかで計算式を変えなくてはならない。

あるビルの上でボールを投げた時、ボールの座標はどこを起点にして決めるべきなのか。ボールにかかる力は何と何を考えなくてはならないのか。ビルは地球にある、そうあれば地球の中心を起点にすればよいのか、地球は太陽系にある、ならば太陽にすべきなのか、それとも銀河、いや宇宙の中心を起点にするべきなのか。どれを無視して、どれが無視できないのか。そこを見極めなければならない。尚、鉛直投げ上げ程度では重力加速度以外の天体の運動とかは充分に無視できる(弾道学とかは違うらしいけどね)。

つまりこの事は理論の導入である。これら理論は、「物体は落下する」と単純に(非理論的に)表現することも、「物体は等加速度運動をする」と表現する事も、「物体は万有引力による加速度運動を受ける」と表現する事も、「物体は、相対論による運動をする」と表現をする事もできる。これら理論は、第一例を除けば、全く異質な物である。纏めると、「理論」は適材適所であって、見極められねばならない。これを見極めるには「実験」や「考察」をする必要があるわけ。

理論と実験

自然科学を学ぶ際には、理論に焦点をあてざるをえない。その理論で重要なのが実證すること。化学ではフロギストン説は尤もらしい説だったけれども、間違いであった。ギリシア以降真円を神聖視したため起きた天動説は、天文学の世界を長らく支配した。自然科学では、観察から得られた結果によってのみ、理論が構築されうる。換言すれば、結果から解釈するのが重要なのであって、解釈が先にあるというわけではない。

天動説が正しいのだという解釈から、ケプラーの得た観測結果を見てみると、惑星が橢円状に運動していたことを、間違って解釈しかねない。惑星の運動が真円を描くと思い込む、解釈を妄信する事は大変危険な事なのであって、自然科学は長い歴史の中で、実證という手法を得た。すなはち天動説が正しいかどうかを観測結果から判断する。

嘗て福田恆存は日本の社会学を解釈先行型の悪しき形をしていると批難した。西洋の正しい学問の方式ではなく、西洋的解釈だけを輸入したのだと論難した。自然科学も同じことである。解釈は、一度咀嚼せねばならない。理論と符合しない事態は、結果を疑う前に、理論を疑わねばならない。

皮肉な事に、量子力学の理論は殆ど実證できないそうだが、加速器を使って血眼に粒子を探しているのは、こうした解釈が正しいことを示そうとしているからである。中間子を予言した湯川博士も、ノーベル賞を受賞したのは、π中間子が実際に発見されてからなのであって、中間子に関する理論を発表してすぐというわけではなかった。結果を正しく評価する、それが自然科学の極意なのだ。

ところでプログラムでも「なぜかわからないけど・・・」ということがよくある。その原因は、自らの理解度、実装のバグ、ハードの仕様、など多岐にわたるが、その結果(バグ)を見つめることで、何かを得られるのかもしれませんね。

ベクトルとスカラー

「速度」はベクトル、「速さ」はスカラー。「速度」とは「速さ」に「向き」を備えたもので、同じ時速 30km でも、駅に向かうのと駅から家に帰るのとでは到着地点が異なるであろう。以後は、他にも「加速度(ベクトル)」「加速度の大きさ(スカラー)」「速度の大きさ(スカラー)」「電場(ベクトル)」等と区別して扱うから、注意して欲しい。

本稿の読み解き方

「公式」や特筆すべきことには、連番で注意を喚起する。任意の事項には、特定の記号を与えてゆく。その確認は、一度目に確認する方法を取るので、二度目以降は吃驚しないで頂きたい。「公式」に関しては連番にしておくことで、「〜の法則(番号)」と示せるから、加えて参照しやすくなると思うので活用して頂きたい。

いきなりですが註です

近々全体を整理して書き足すつもりです(平成22年、つまり今年の夏までには)。範囲を力学に限らず、熱力学、波動(音波と光波)、静電気と磁気の電磁気学、量子論の初歩(ボーアの量子仮説から光粒子性、ド・ブロイ波)、素粒子について、etc。廻路はPN接合のダイオード等についても触れる予定。単振動(力学でもあり波動でもあり)や電磁波(波動でもあり電磁気でもあり)など、含むべき箇所が分散される場合は、その範疇を越えて記述することになるでしょうけど、そこは適当に読み流して欲すぃ。

分割した方がよくね?

そう思います。六から四つに分割するとよいでしょう。

今の所の編輯方針について

先づ、先立つて、項目だけ用意しました。好きなやうに埋めてやつてくだしあ。順番はどうだつてよいのですけど、系統立つて並べるにはどうしたものかと悩ましい所であって、項目は前後せざるを得ない。これはしようのないことです。

気に食わないなら、理論体系を一人で構築する必要があると思うのですよ。理論体系は皆でよってたかって「編輯」してきたので、若干前後してしまうです(定義の循環参照的な物はないかもしれんが)。

力学

高校物理では凡そ頁の三分の一を占める。何よりも重要です。

力学と謂えば、「古典力学」「熱力学」「量子力学」等の違いがありますが、ここでは「古典力学」を扱います。一部に関しては「ローレンツ変換」等の近代的解釈から、「古典力学」の綻びを指摘しました。

古典力学(ニュートン力学)

1687年にニュートンは劃期的な理論を示した。『Philosophiae naturalis principia mathematica プリンキピア(自然哲学の数学的諸原理)』を著し、自然現象を数学で定義した。ニュートンは微分積分学の功労者その一人であり、ニュートンの考えを導入した力学は、彼を讃えてニュートン力学と呼んだ。

勿論古典力学はニュートン以前からの物であるが、ニュートンによる功績は大きいので、特にニュートン爾来と謂う意味でニュートン力学と呼ぶ。

相対速度

古典力学での速度に関する系変換をガリレイ変換と謂う。これは相対論のローレンツ変換と対応する物であるが、一般に十分に小さい速度(若しくは巨視的現象)では、ローレンツ変換はガリレイ変換に近似される。

物体 A と物体 B が一直線上に運動し、その速度を Va と Vb を与えると、相対速度は \vec{V_{ab}} = \vec{V_b} - \vec{V_a} と考えられる系を謂う。Va と Vb の大きさが a と b とすると、

  • 物体ABが逆方向に運動:Vbの方向を正とすると、AからみてBは Vb - Va = b - (-a) = b + a の速度で進む。
  • 物体ABが同方向に運動:Vbの方向を正とすると、AからみてBは Vb - Va = b - a の速度で進む。

と考えることができる。a = 0 の場合、踏切の前で立ち列車が通過するパターンを考えてみるとよい。

それ以外の場合は、車の内外に視点を変えた物と考えてみるとよい。時速 30km (a)で走行したとしても、そのようなメーターが示す速度で車内で走り回る必要は無い。車(A)からみて、車内(A自身)の速度は 0 なのである。今度は逆に、車外で立ち止まる人(C)からみると、車は 30km/h の速さで走行している。

次に後方から時速 40km(b)で追い上げてきた車(B)があれば、車(A)からみて 10km/h(b-a)の速さで走行しているように見えるであろうし、軈て追い抜かれてしまうだろう。前方から時速 40km(b)で接近する車(B)があれば、車(A)からみて 70km/h(b+a)の速さで走行しているように見えるであろうし、軈て交叉し通り過ぎてしまうだろう。

「車(A)からみて」「車外からみて」等とは、座標系を逐一変換する作業であり、これらの事を実際に方向を意識して数値を式に代入し確認して欲しい。なお車外で立ち止まる人(C)の場合は b = 0 の B と考えることもできる。

一般に同じ概念や同系統のスカラーは、向きを同じ方向に取っていると暗黙的に諒解される。だから公式等においてスカラーの扱いに注意して欲しい。

物体の運動

物体が重力によって落下することは、経験的に知っていること。「覆水盆に返らず」である。また宇宙空間では、所謂「無重力空間」のことであるが、重力が無ければ物体は運動しないかと謂えばそうではない。では物体の運動はどういった力によって支えられるのだろうか。

「座標/速度/加速度」「道程」「時刻」の関係の微分・積分による理解は解析学参照。運動の関係を表す式では、特に證明をせず、解析学による理解によって成される物と期待します。

直線運動

物体が直線上を動くかのような場合に、どのような物理的意味があるのかを考えてみよう。

断りの無い場合、s は移動距離、v は速度、a は加速度、t は時刻とします。移動距離は t = 0 からの移動距離であり、対して x は位置(座標)を表すとします。

等速運動

同じ速度で運動する運動は、等速運動と謂う。等速運動では、経過時間に応じた移動距離になることは、御存知の通りであろう。つまり経過時間と移動距離は、比例関係にある。

s \propto t

この比例関係は、比例定数を定義する事で、t の一次式で表せる。この比例定数はこの場合「速度」である。また比例関係について長々と述べるのは、とても重要な考え方だからである。少し脱線すると、

s = vt,\\ \ \frac{ds}{dt} = v \Rightarrow s = \frac{ds}{dt}t\ \cdots (\alpha_1)

微分することで得た導函数によって得られる方程式は、微分方程式と謂う。この種の微分方程式は「比例関係」を端的に表していて、重要であるから、度々幾らかの運動と微分方程式の対応を提示することにする。

\frac{s}{t} = v = \tan \theta

s を縦軸(y軸)、t を横軸(x軸)にとってグラフを書くと、その勾配は速度である。偏角θを取ると、その正接が傾きであって、つまり正接が速度である。グラフを書く事は、適切な方法を選ぶことによって、比例関係を調べたり、物理的関係を読み取ることができるので、これもまた重視される。

t = 0 の時の位置を x0 とすると、位置 x と移動距離 s との間に、x - x0 = s は明らかで、

x = x_0 + vt\ \cdots (1.1)

と表現できる。尚単位を明らかにしてこなかったが、t[s]、v[m/s]、s[m]、x[m]等の単位を与えることができる。

[m] = [m/s]\cdot[s]

等加速度運動

速度の変化を加速度と謂う。加速の度合いと云うことである。譬えば車で云う所の加速性能とは、短時間にどこまで速度を上げられるかを示す指標であることを思い出して頂きたい。ここでは同じ度合いで速度が変化する場合を考える。つまり経過時間と速度が、加速度を比例定数として、比例する運動である。t = 0 の時、速度を v0 とすると、

v \propto t,\\ v = v_0 + at\ \cdots (1.2.1),\\ \ \frac{dv}{dt} = a\ \cdots (\alpha_2)

微分方程式は「等速運動」のモデルと同じであるから、解説は除く。同様の理由で、速度の一次式は容易に理解されるであろう。一次式であるから、簡単に平均速度を考えることができる。

\bar{v} = v_0 + \frac{at}{2}

更に移動距離 s と一定ではない速度 v との対応を考えれば、移動距離と平均速度との関係が等速運動と同じであるから、

s = \bar{v}t = v_0t + \frac{1}{2}at^2\ \cdots (1.2.2)

と示すことができる。位置 x で表すなら、

x = \frac{1}{2}at^2 + v_0t + x_0

と表されるであろう。また移動距離 s は t を消去することによって、

2as = v^2 - v_0^2\ \cdots (1.2.3)\\ s = \frac{v^2 - v_0^2}{2a}

と表される。

ところで「等加速度運動」は「等速度運動」の比例関係から、

a = \frac{d^2s}{dt^2}\ \cdots (\beta_1)

と謂う微分方程式も得られる。これは「等加速度」と謂う情報から直截得られる方程式であり、これを解くことで移動距離 s との関係を示すことができる。

落下運動

物体の落下は等加速度運動であることが知られ、その加速度は 9.8 [m/s^2] 程度(主に地表面での観測値【地球】)の大きさであることが知られている(註:万有引力を参照のこと)。この加速度を重力加速度と謂う。重力加速度を g で表す。

自由落下

x = -\frac{1}{2}gt^2 + x_0

ある程度の高さから、手を離すと物体は自然落下する。この種の落下運動を自由落下と謂う。一般に加速度を上向きに正と取るから、加速度は下向きに g の大きさなので、a = -g とする。初速は無いので、(1.2.2) から明らかである。

鉛直投上

x = -\frac{1}{2}gt^2 + v_0t + x_0

鉛直方向(重力に逆らう方向)に物体を投擲し落下させる運動を、鉛直投上と謂う。初速度 v0 も上向き正にとると、自由落下同様 (1.2.2) から式を得る。この方程式は二次方程式であって、x に最大値が存在することが明らかである。この最大値は、投擲した物体が到達しうる最高点の位置であろう。

逆に、t = t1 の時に最高点に達し、最高点の位置を x1 とすれば、以後は自由落下であって、

x = -\frac{1}{2}g(t-t_1)^2 + x_1

と表すこともできよう。それから、最高点では速度の大きさが 0 であるから、(1.2.1)(1.2.3)より、

t_1 = \frac{v_0}{g},\\x_1 = x_0 - \frac{v_0^2}{2g}

と計算できる。

曲線運動

これこそ解析学の出番と云えるが、抛物線運動と橢円運動を扱うことにする。

註:力学の他に、以下から暫く振動という分野にも関わる話をするので、そこは無視して頂いても結構だが、円運動は力学でも重要なので、振動と併せて、何度か参照されるとよい。特に角速度以降は、先に慣性力あたりまで理解してからにして欲しい。

斜方投上

鉛直投上の式には初速度を含めた。この初速度は「直線運動」と断っていたから、暗黙に重力加速度と同じ方向の成分であったと理解されたい(ベクトルが一次従属であったということ)。

斜方投上では初速度が鉛直方向以外にもなる。従って v0 の大きさを鉛直方向(y軸)と水平方向(x軸)に分解することにする。水平方向に θ の仰角で投擲したとすると、

\vec{v_0}=(v_0\cdot\cos\theta,v_0\cdot\sin\theta)

と分解できる。この分解はベクトルを理解し円函数を理解すれば、明らかである。斜めに投擲した物体の速度を v として同じように分解すると、

\vec{v} = \vec{v_0} + \vec{g}t = (v_x,v_y),\ \vec{g} = (0,-g),\\v_x = v_0\cdot\cos\theta,\\v_y = v_0\cdot\sin\theta - gt

vx と vy を得る。当然重力加速度も分解され、(1.2.1) から vx と vy は上のように定まる。つまり (1.1)~ (1.2.3) の定理は、同方向の運動に適用されるものであり、ベクトルに適用する場合は、各成分での運動に適用される法則である。逆に (1.1)~ (1.2.3) の定理での x や v や a は、同じ次元のベクトルであったと考えることもできる。

長くなったけれども、位置を \vec{p} = (x,y) と表せば、t = 0 の時の位置 p0 を用いて

\vec{p} = \vec{p_0} + \vec{v_0}t + \frac{1}{2}\vec{g}t^2,\ \vec{p_0} = (x_0,y_0)\\ x = x_0 + v_0\cdot\cos\theta t,\\ y = y_0 + v_0\cdot\sin\theta t - \frac{1}{2}gt^2

と表される。実際、この運動は抛物線を描くが、そのことは y を x で表してやれば、示せるであろう。

t = \frac{x - x_0}{v_x},\\ y = y_0 + v_0\cdot\sin\theta(\frac{x - x_0}{v_x}) - \frac{1}{2}g(\frac{x - x_0}{v_x})^2\\ \ \ = y_0 + (x - x_0)\tan\theta - \frac{g}{2v_x^2}(x - x_0)^2\\ \ \ = -\frac{g}{2v_x^2}\cdot x^2 + (\tan\theta + \frac{gx_0}{v_x^2})\cdot x - \frac{gx_0^2}{2v_x^2} + y_0

ここに抛物線運動が明らかなる軌道方程式を得た。更に p0 を原点とすると、x0 = 0、y0 = 0、となって、わかりやすくなるでしょう。

y = -\frac{g}{2v_x^2}\cdot x^2 + \tan\theta\cdot x

鉛直投上では抛物線を描くのだと云うことを憶えておいて下さい。

等速円運動

原点を中心とした円運動を考える。偏角 θ を与え、これを変位と謂う(このような偏角・変位の単位は、通常ラジアンである)。偏角の変化速度は角速度と謂う。変位は時刻によって定まり、変位の変化が一定であるものは、角速度が一定であるということである。角速度を ω、初期変位(t = 0 での変位)を δ0 とすると、

\theta - \delta_0 \propto t,\\ \theta = \delta_0 + \omega t\ \cdots (1.3.1),\\ \ \frac{d\theta}{dt} = \omega\ \cdots (\alpha_3)

と表せる。ところで円運動する物体の位置 p は、円運動の半径を r とすると、極座標系では、

\vec{p} = (r\cos\theta,r\sin\theta)

と分解される。解析学から、速度 v、加速度 a、は、

\vec{v} = (-r\omega\sin\theta,r\omega\cos\theta),\\ \vec{a} = (-r\omega^2\cos\theta,-r\omega^2\sin\theta)

と得られる。高校では偏角の微少変化Δθを仮定しこの変化量から結論を導くが、実際は微分と同じなので、その證明は割愛。さて、速度 v、加速度 a、の成分をよくみれば、

\vec{p}\cdot\vec{v} = 0 \Leftrightarrow \vec{p}\bot\vec{v},\\ \vec{p} = -\frac{1}{\omega^2}\vec{a},\\ ||\vec{p}|| = \frac{||\vec{v}||}{\omega} = \frac{||\vec{a}||}{\omega^2} = r

等が得られる。このことから、円運動では必ず\vec{p}= -\frac{1}{\omega^2}\vec{a}が成立し、加速度が恆に円の中心を向いて居ることを示す。この加速度による力を向心力と謂う(註:力については運動の第二法則参照)。また円運動では、速度と位置ベクトルが直交し、つまり速度は円の接線方向となる。更に p, a の関係から、

p \propto \frac{d^2p}{dt^2},\\ p = -k\frac{d^2p}{dt^2},\ k = \frac{1}{\omega^2} \ge 0\ \cdots (\gamma_1)

が得られる。k が正のときの函数と二次導函数が逆な微分方程式、つまり位置の向きと加速度の向きが逆となる運動を、単振動と謂う。単振動は後々詳しく述べるので、今は上式の整理法を理解して欲しい。

橢円運動

萬有引力まで到達したらここまで返ってきて欲しい。逆に謂えば、萬有引力に到達するまで目を通す必要はない。ただし、円運動とそこまで話は変わらない。

そもそも橢円は真円によく似て居るけれども、速度・加速度の関係は似て居るのだろうか。それとも一致するのだろうか。ケプラー・ブラーエの面積速度一定という法則は、恰もその事実を示しているものだけれど、ではいったんここで数学的な事項を確認しておく。

橢円運動を行う点は、\vec{p}=(ar\cos\theta,br\sin\theta) のように表せる。傾きやら長径・短径を考慮すると面倒なので、此の場合はr^2=\frac{x^2}{4} + y^2 (*α)というような、つまり\vec{p}=(2r\cos\theta,r\sin\theta)、長径は y 軸に一致、そんな運動を考える。

\vec{v}=(-2r\omega \sin\omega t,r \omega \cos\omega t) \vec{a}=(-2r\omega^2 \cos\omega t,-r\omega^2 \sin\omega t)

ここで角速度ω を用いて t で微分すると上式を得る。*α式から、ベクトルpもvもaも、円運動における関係式を十分に満たしている。従って橢円運動における「向心力」の存在を確認できる。

擺線運動

擺線運動(cycloid)を考えると、等速円運動に一定方向の初速度を与えた運動に同じであるとわかる。x 軸方向に v0 の速度で前進させるならば、適当な位置に中心を下げ、

x = r\cos(\delta_0 + \omega t) + v_0t,\\y = r\sin(\delta_0 + \omega t) - r

と定義できる。t を消してやると、

t = \frac{\theta - \delta_0}{\omega}\ ,\\x = r\cos\theta + v_0\frac{\theta - \delta_0}{\omega}\ ,\\y = r\sin\theta - r

とできる。この曲線は、尤も早く二点間を移動できる曲線で、最速降下曲線と謂う。面倒なので、初期変位 δ0 = 0、v0 = rω と置くと、

\frac{dy}{dx} = \frac{\frac{dy}{d\theta}}{\frac{dx}{d\theta}} = \frac{\cos\theta}{1-\sin\theta},\\ \frac{d^2y}{dx^2} = \frac{d}{dx}\frac{dx}{dy} = \frac{d\theta}{dx}\frac{d}{d\theta}\frac{dx}{dy} = \frac{1}{r(1-sin\theta)^2}

と整理できる。更に、

\frac{dy}{dx} = -\frac{\sqrt{1 - (\frac{y}{r} + 1)^2}}{\frac{y}{r}} = -\sqrt{\frac{-(2r+y)}{y}}\\ (\frac{dy}{dx})^2 = -\frac{2r + y}{y} = -1 - 2\frac{r}{y},\\\ \frac{d^2y}{dx^2} = \frac{1}{r(\frac{y}{r})^2} = \frac{r}{y^2},\\ \frac{r}{y} = \frac{r}{y^2}y = \frac{d^2y}{dx^2}y,\\ \therefore \ (\frac{dy}{dx})^2 + 2\frac{d^2y}{dx^2}y + 1 = 0\ \cdots (\delta_1)

が得られる。この微分方程式は、擺線運動・最速降下曲線を表す。

角速度の変化

角速度は一定とは限らない。室伏広治選手がハンマーを遠投する際、廻転する映像は見たことがあると思うけど、最初から最後まで同じ速さで廻転して居たわけではない。どんどん速くなって居た筈である。これはつまり角速度に変化量があったと謂うわけ。次からは同角速度変化量、つまり等角加速度な運動を扱う。

少し先取りする内容になるけれど、先に遠心力(慣性力)の話をしたい。人工衛星はとてつもない速度で惑星を取り巻き、周廻軌道を漂って居る。何故そんな事をして居るのだと謂えば、御存知、吾が地球の引力圏にあって惑星に引き摺り込まれぬためである。一定の周廻軌道にあるがため、その引力 F に逆らう力とは、すなはち引力 F に等しいだけの遠心力である。この遠心力は「慣性力」であって、不思議な感じがするけれど、円運動に伴う「向心力」が生み出している。遠心力の大きさは向心力の大きさに等しい(加えて、向心力と遠心力の向きが逆であることに気付かれたことであろう)。

慣性力が何であるかは、深く意識しないで良い。ここでは、引力 F が地球の物より大きくなったならば、周廻軌道を保つためにどのような努力をすべきかを考えたいのである。つまり、引力に逆らうのが遠心力であるのだから、引力が増大したならば向心力を増大させれば周廻軌道を保つであろう。別の見方をすると、引力は惑星から離れると減少するから、地球に近づけば引力は増大するであろう。周廻半径を狭めると引力が増大し、周廻軌道を保つためにより大きな向心力を要するであろう。

長々と述べたけれど、等角加速度運動で重要なのは「半径」と「向心力」である。半径一定のまま角速度が上昇すれば、向心力は増大する。向心力が増大すれば廻転速度が増大し、半径増大方向、乃至はより大きな引力や張力と抗うことを可能にする。角速度一定のまま半径を変化させたならば、半径増大すれば廻転速度は減少し向心力も減少、半径減少すれば廻転速度や向心力は大きくなるであろう。だから、通常の円運動では、その運動状態が一定である理由として、お互いに平衡的関係(片方が減れば片方は増え、片方が増れば片方は減る)にあると謂うことが考えられる。

だいたいこんな所でしょう。円運動が表れたならば、その都度値の相互関係を確認してみて下さい。最初のうちは混乱すること請合い(周期、廻転速度、角速度、と沢山あって初見ではややこしい!)。荷電粒子の加速を考えたりするときにも活躍します。

等角加速度運動

角速度が一定の加速度 β で変化したとすると、初期角速度 ω0 によって、

\beta - \omega_0 \propto t,\\ \omega = \omega_0 + \beta t\ \cdots (1.3.2),\\ \ \frac{d{\omega}}{dt} = \beta\ \cdots (\alpha_4)

どこかで見たような式があらわれる。加えて、

\theta = \delta_0 + \omega_0 t + \frac{1}{2}\beta t^2 \\ \ \beta = \frac{d^2\theta}{dt^2}\ \cdots (\beta_2)

等加速度運動の時と一致する。当たり前と謂えばそう。しかしここでの問題は、β が廻転運動に与える影響を考察することにある。

課題:質量 m[kg] の物体 P が、丈夫で軽い紐に結えられ、半径 r[m] の等角加速度運動をして居る。張力や加速度、運動方程式を考察せよ。

ある時刻 t で、角速度 ω [π/t]、角加速度 β [π/t^2]、廻転速度 v [m/s]、とする。加速度を向心方向と接線方向に分解して考察しよう。更にその二方向の運動方程式を導き、張力を考えてみよう。

ある時刻 t での運動状態を見るだけであるから、つまり局所的な物であるから、等速円運動と考えてよい部分がある。ここで向心方向の加速度を向心加速度と呼び ac、接線方向の加速度を接線加速度と呼び at とすると、前者は等速円運動の関係から、後者は 1.3.2(註:廻転速度とは接線方向の速度に同じ)と等速円運動の関係 |v| = rω から、

||a_c|| = r\omega^2,\\ ||a_t|| = \frac{d||v||}{dt} = \frac{d(r\omega)}{dt} = r\frac{d{\omega}}{dt} = r\beta

なる関係を得る。これは各の方向に、F=ma の運動方程式を満たすだけの力が生じていることを表している。慣性系からみると、物体は向心・遠心方向の運動を有して居ないので、その分だけ遠心力たる慣性力 Fc が働く。この Fc は centrifugal(遠心性)の c であるが、a_c は centripetal(向心性)の c の積りだから、注意して欲しい。物体 P に関する運動方程式(慣性系)を考えると、

F_c - ma_c = m \cdot 0 \ (centripetal)\\F_t = ma_t \ (tangential)

非慣性系からみても、物体は向心・遠心方向の運動せず、つまり遠心力 Fc に抗うだけの張力を T を生ずる。物体 P に関する運動方程式(非慣性系)を考えると、

F_c - T = m \cdot 0

ここでは張力の大きさは向心力に等しい。半径は一定のままであるから、角速度増大ならば遠心力(あるいは向心力)は増大方向にある。また、Ft = mat から、物体の廻転速度は、角速度増大ならば増大することがわかる。

逆に β = 0 とすると、等速円運動と同じであることが確認できる。譬えば、等速円運動は接線方向の力を生じないので廻転速度が恒に一定と謂うことが見てとれる。

周期と廻転数(Hz)

円運動といえばその周期、廻転数が重要になってくる。実は円運動とは単振動とある意味で等価なのだけれど、それはさておき。

廻転数は「単位時間あたりに廻転する回数」、周期は「一廻転(単位廻転)あたりに要する時間」を指します。角速度ωはこの廻転数や周期に置き換えることが可能です。

周期の単位は「秒」です。一方廻転数の単位は「Hz」です。Hz(=Hertz、ヘルツ) は Heinrich Rudolph Hertz という物理学者の名前に由来する単位です。単振動などの周波数で御馴染み。昔は廻転数の単位を「c/s(cycle/sec.・毎秒廻転)」ともしましたが、今はHzが一般的でありましょう。

周期をT[s]、廻転数をn[Hz]、角速度をω[/s]と置くと次の式を得ます。

T=\frac{2\pi}{\omega}[s], n=\frac{1}{T}[Hz]

これらの式は自明でありましょう。これを向心力の大きさを求める式に代入するとどうなるだろうか。

加速度は角速度ωと廻転半径から、|\vec{a}|=r\omega^2、とその大きさを求めることができます。質量mの物体が廻転運動をしているのであれば、「運動の法則(後述)」から向心力の大きさ F は F=mr\omega^2です。従ってこの式を周期や廻転数で表すとだいたい次の様になります。

F=mr\omega^2=\frac{4\pi^2 mr}{T^2}=4\pi^2 m n^2 r [N]

この式からわかることは、廻転を維持するために要する力は、廻転数の二乗に比して増大するということです(質量や廻転半径にも比例)。砲丸投げでは幾ら廻しても無駄ですよ(どうせ支え切れませんよ)、この向心力に伴う慣性力(後述)を支える張力は廻転させる程急激に増大しますよ、ってのはこういうことからわかります。こういう考え方は実際の現象に対する式からの考察であり、物理をやる上で、場合によっては、論理以上に重要な物となるでしょう。

力と運動

前項は等加速度運動であった。では加速度を変化させるにはどうすればよいか、力を加えたら運動はどのような加速度を得るのだろうか。

慣性系とは

「慣性」が成り立つをこう呼ぶ。なんのこっちゃ、って訣なので次項で是をみる。その前に用語整理を。

質点
「重心」と考えてもいい。殆どの物体は質点を与えることができ、その一点のみが全ての慣性質量を持つと看做す点をいう。
質量
物体の「中身、大きさ」そんな物を数値化した物。慣性質量重力質量がある。等価原理により両者は一致することが知られている。
重力質量
萬有引力・重力定数により与えられる質量。所謂体重計での「重量」だ。
慣性質量
慣性系で与えられる質量であり、物体の外力や加速度で定義される。「横綱の張り手は1トンの威力」という場合の「重量」。
等加速度運動
加速度が等しい運動。速度は増減する。
等速度運動
速度が等しい運動。加速度は無い。

暫くは慣性質量のみを扱う。

運動の第一法則(慣性の法則)

  • 静止した質点は、力を加えない限り、静止し続ける。
  • 運動している質点は、力を加えない限り、等速運動をとる。

以上が成立する系を慣性系と呼ぶのである。一般には「力の無い宇宙空間では当たり前」として知られてる事だね。

運動の第二法則(運動の法則)

  • 質点が力を受ければ、その力の方向(ベクトル)に加速度が生ず。
  • その加速度は、力の大きさに比例する。
  • その加速度は、慣性質量に反比例する。

同じ力で生まれた加速度だと、重い程動かす早さが遅くなるのは当然ですネ。

以上を、加えた力の合力をベクトルF、速度をベクトルv、加速度をベクトルa、質点の慣性質量をmとすると、以下の式を得る。

p=m\vec{v} \vec{F}=\gamma^3 m\vec{a} \gamma=\frac{1}{\sqrt{1-\frac{|\vec{v}|^2}{c^2}}}

p は運動量であり「運動量と力積」を参照。γ は相対性理論による補正であり、光速度cに対して速度vが充分に小さいときは1に近似する。従って次式となる。

c>>vのとき、\vec{F}=m\vec{a}

尚、質点の座標を位置ベクトルpとすると、時刻tでの微分方程式は下記の通り。

\vec{F}=\gamma^3 m\frac{d^2}{dt^2}\vec{p}

運動の第三法則(作用・反作用の法則)

  • 二つの質点が互いに及ぼす力は等しい。

質点AとBを考える。AがBをFの大きさの力で圧迫すれば、BはAをFの大きさの力で押し返すということである。「抗力」に詳しい。

ニュートン(単位)

[N]=[kg][m/s^2]

力の単位ニュートンは上式で定義される。「1kgの慣性質量を持つ質点を毎秒毎秒1mの加速度で動かせる力」を「1N」とする。これは、そのまま\vec{F}=m\vec{a}に代入した物。

60Nの力で慣性質量60kgの物体を押すと、その刹那、押した方向に毎秒毎秒1mの加速度が加わる、ということである。逆に、ある瞬間、慣性質量60kgの物体が毎秒毎秒5mの加速度を持ったならば、それは加速度の方向に300Nの力が加わっているのである。

ここでは力を加えた時間を全く考慮してないが、力を加える時間が瞬間的な場合、それはどう捉えればよいのだろうか? 加速度で変化する速度はいったいどれくらいの大きさになるのか。その答えは「力積」の項に讓ることにしよう。

樣々な力

次に移る前に、一端、いろいろな力をみてゆく。

重力(重力加速度)

重力は、質点に慣性質量に応じた力を与える。これは運動の第二法則から加速度で定義でき、重力加速度は毎秒毎秒9.8メートルとして知られる。

有名なガリレオ・ガリレイの「ピサの斜塔」などの逸話では、体積・質量に拘わらず同じ速度で落下することが知られる。運動の第二法則では、「加速度は質量に反比例する」。質量が変わっても同じ速度であるということは、加速度も一致するはづであり、それはすなはち慣性質量に比例した力を重力が与えるということである。

「慣性質量に比例した力」とは喩えば、10kgの質点には、重力は質点を98Nの力で引き寄せる、とできる。30kgの質点では、294Nの力となる。

抗力と張力

10kgの質点は98Nの力で落下し続ける。では、丈夫で水平な机の上に置いた物体は、落下し続けるであろうか。否、机の上で停止するはづである。これは何故だろうか。

ここで便宜的に机が重力に応じた力で押し返す、として考える。これを抗力と呼ぶ。運動の第三法則から、10kgの質点と机という質点は、互いに抗力を及ぼし合う事が分かる。また水平面に置いた物体からの抗力は、これを垂直抗力と呼ぶ。

すなはち98Nで落下し続けた質点への垂直抗力は、98Nの力で上昇させうる力、となる。この釣り合いの式は、垂直抗力をN、質点の慣性質量をm、重力加速度をg、とすると、次の式を得る。

N-mg=0

この式を運動方程式と呼ぶ。また重力や垂直抗力の力の向きから、「鉛直方向の運動方程式」と区別して呼ぶことがあり、水平方向は別に「水平方向の運動方程式」と呼ぶ。

机の上で停止した質点の運動は停止しており、加速度は0である。従って、F=maの右辺は0となる。また合力Fは、上向きの力と下向きの力、そのベクトルの合計となっている(運動方程式の註)。

張力は要するに引張る力であり、質点を糸に括りつけて天井に吊るすとしよう。「10kgの質点は98Nの力で落下し続ける」わけだが、吊るすとこれは同樣に停止するはづである。この時、支える力を張力と呼び、運動の第三法則から、互いの質点に力を及ぼし合う。

喩えば天井は張力と同等の力で引張られ、張力が大きすぎれば「糸が千切れる」「天井が抜ける」などする。またこの時の運動方程式は、張力をTとすると、次式を満たす。

T-mg=0

抗力の作用点

摩擦力

粘性力

撥條の伸張(弾性力とフックの法則)

撥條(バネ)
薇(ぜんまい)状に捲いた物。弾性に富む。
弾性
外力により形状が変化するが、力を取り去ると元の形状を恢復する性質。
弾性限界
弾性を保つ事が出来る限界の外力をいう。
比例限度
フックの法則を満たす限界。
自然長
撥條の荷重を加えないときの長さ。

フックの法則によると、

  • 撥條に加えた力による伸びは比例する(Ut tensio, sic vis)。

が成立し、これを「弾性の法則」と呼ぶ。従って、撥條の伸び縮みは、撥條定数により定義できる。荷重F、撥條の全長と自然長の差を「伸び」としてx、撥條定数kとすると、次が成立。

F[N]=k[N/m]x[m]

撥條の使い方で式は変わるが、伸びであれ縮みであれ、荷重に比例する。またこの荷重は撥條の反力を齎し、撥條に荷重を与える物体があれば、彼はその「抗力」を受ける。

流体と浮力(アルキメデスの原理)

運動量と力積

モーメント(外積)

モーメントは廻転する力の大きさとして習う事が多いけれど、外積の定義に他ならない。だから向きがある。ある一つの剛体に加わる力が釣り合うには、このモーメントを考えてやる必要がある。

作用線・平行力・偶力

機械(梃・滑車)

単振動

慣性系と非慣性系

世の中全てが慣性系とは限らない。電車に乗っている時思わず転びそうになることがあるが、車輛の加速に体がついていかないからである。車輛全体は慣性の法則に従うから慣性系と謂うが、車輛の中の附属物は車輛に加わる力がすぐそのまま作用しない。これら加速度のかかった系を非慣性系と謂い、慣性の法則に従わない結果が現れる。

遠心力と慣性力

遠心力は(向心)加速度をかけると得られる。これは慣性力の一種である。慣性力は加速度に等しい大きさと逆の向きを持つ。

質量mの物体が車内にあるとき、加速度\vec{a}であれば物体には\vec{F}=m\vec{a}の力がかかる。慣性力を\vec{F'}とすると、\vec{F'}=-\vec{F}が成立する。

慣性力が遠心力であれば、それを生じさせる加速度は向心力であり、向心と逆向きの力を持つから「遠心」となるわけ。非慣性系での力の釣り合いは、慣性力\vec{F'}、重力加速度、物体を固定する物体に加わる力(喩えば吊り革なら紐にかかる張力)、これら全ての合計が0になる必要があります。もし吊り革が絶えられない程の張力がかかれば、吊り革は天井から離れて吹き飛ぶ。「車輛の加速に体がついていかない」とは、慣性力と重力加速度、体を支える力のバランス(吊り革を摑む力、足が接地する力の方向、etc.)が崩潰して運動を始めることで力のバランスをとるから、と看做すことができます。

慣性系と非慣性系、それぞれの力の釣り合いは円錐振子を参照。車輛内では非慣性系ですが、外からみるとやはり慣性系であり、どちらか片方が釣り合えば、もう片方も釣り合うのです。

萬有引力

面積速度

ケプラー

剛体の運動

公式集(力学篇)

確認のために揭げるが、必ずしも憶える必要は無い。

  • 等速度運動:x = x_0 + vt\ \cdots (1.1)
  • 等加速度運動:v = v_0 + at\ \cdots (1.2.1)\\s = v_0t + \frac{1}{2}at^2\ \cdots (1.2.2)\\2as = v^2 - v_0^2\ \cdots (1.2.3)

熱力学

グラマにはあまり必要がない稀ガス。熱容量、比熱、ぐらいを憶えとけばいいのではないだろうか。もちろん理想気体や、ボルツマン定数なども重要だけど。「黒体」までいくとさすがにどうだろうかと思う、物理現象としては面白いけどね。

それから「圧力」とは「単位面積あたりの力」である事は、気圧で初めて扱うような気がするので、理想気体のついでに憶えておいてほしい。

熱の概要

熱ってなにさ、と、昔からよく考えられた。「熱素(カロリック)」説というのがある。四元素説では、「火」を想定してて、何らかの物質が「熱」だと考えるものもあった。その意味で「燃素(フロギストン)」説は有名かもしれない。現在では、熱運動説が取られる。それはまあ後ろの方に書いてある節でみて欲しい。

暫くは熱運動説を意識する必要は無い。単純に、人が触れると、熱い/冷たいの感覚でどうにかなってしまうから。

註:一般的な閉鎖系のみを議論の対象にする。開放系は「断熱」ということで無視するように。

熱と仕事

仕事当量

エントロピー

比熱と熱容量

比熱は定量分の物質・物体の単位温度上げるのに必要な熱量。定量はグラム(質量)だったりモル(物質量)だったりする。

熱容量は定まった容器等のある物体全体の単位温度上げるのに必要な熱量。100gの水の比熱をc[J/gK]とすると、その熱容量は 100c[J/K] だ、という感じ。

熱力学

熱力学第一法則

U=Q+W

熱力学第二法則

永久機関を否定。熱効率の問題。

熱力学第三法則

エントロピーと絶対零度。

エンタルピー

H=U+PV が一定。

熱機関と熱効率

熱により仕事をする器械を熱機関といい、熱を与えた量と、実際にした仕事とを比べ、熱効率を考える。廃熱をする必要があったりして、熱効率は1にならない。

熱効率の値とカルノーサイクル

カルノーサイクルは尤も熱効率がいい。

ジュール・トムソン効果

気体分子と熱運動

ブラウン運動

平均自由行程・平均衝突時間

気体の圧力

気体の膨脹と圧縮

等温変化

断熱変化

ポアソンの法則

ボイルの法則

シャルルの法則

状態方程式の算出

理想気体

気体温度とボルツマン定数

理想気体の状態方程式

二乗平均速度

実在気体

エネルギー等配則

比熱比について

定容比熱

定圧比熱

マイヤーの法則

補稿

黒体と熱輻射

ジュール・トムソンの細孔栓実験

カルノーサイクル

波動

波動の理解は、最終的に、電磁波、アインシュタインの光粒子性、ド・ブロイ波(仮説)、まで到る物である。エンコード技術には波動を使うことがあるようで、グラマに必要かといえば必要だろう。

ホイヘンスの原理

波は最短距離を進む。

光の性質

光は電磁波の一種(後述)。ここでは電磁的であるよりも、光学的特性を問題にする。

屈折と反射

光は、光学的に密な物体から疎な物体、疎から密な物体、を通過するとき、境界面にて屈折する。

スネルの法則

屈折を考察するに、屈折する角度と物質の間にある性質が見出された。

屈折率と反射と変位

光は、反射することがあるが、光学的に疎な物体から密な物体における境界面では、位相がずれる。その位相のずれは、多くが半波長であって、逆位相になる。

補稿

光速度の算出実験

レーマー、ブラッドリー、フィゾー、フーコー。多く工夫されることによって算出された。特にフーコーによる光速度の誤差は 0.6% というから凄い。実験方法は個別に調べて確認して欲しい。

ニュートン環

フレネル回折

フラウンホーファー回折

干渉縞とフーリエ変換

超光速運動(クエーサーの観測)

エーテル理論の興廃と光の正体

後の方に書いた(ローレンツ力の意義)けど、電磁気学の世界では一つの矛盾が生じていた。これを解決しようとした一つの理論が「エーテル理論」である。エーテル仮説でもいいけど。

エーテルってのは、化学のエーテルと同じ語源の、所謂第五元素と謂う奴。古代ギリシアでは完全な世界とされる宇宙はエーテルで満たされていると考えた。天動説の世界観ではこのエーテルが信じられていたわけだけど、十九世紀末になって、否定されていた概念が、全く異なる概念として復活させられたわけ。

実はこのエーテル、錚々たる科学者がその存在を信じていた。デカルトは天体はエーテルの渦に乗って運行すると考えた。これがどう光や電磁気学と関係するかというと、光の正体が波動なのか粒子なのかが問題だったから。

粒子であると回折・屈折が説明できなかった。ホイヘンスはエーテル中を伝播する縦波(波動)と考えたが、ニュートンがこれを否定した。ニュートンは粒子と考え、「aethereal medium(エーテル様の媒質)」が空間を満たすことで、エーテルの流れに巻き込まれ、回折・屈折が起きると考えた。「空間に満ち、光(電磁波)の伝播を媒介する物質」、これがエーテルとされた。ブラッドリーは光行差を発見した。波動であると光行差を説明できなかった。暫くの間ホイヘンスの考えに基づいた理論が支持された。伝播するには「水波」「音波」のように媒質(エーテル)が必要であると考えられていたからである。

十九世紀末、ヤングとフレネルは横波(波動)であると考えた。振動方向の偏光、複屈折の説明がなされた。また回折の実験から、光粒子性は否定された。

ところで横波・縦波を伝播する物質は、ある特性がある。横波は鞏固な結合を要する。一方の縦波は流体状の物質で伝播できる。流体状のエーテルは、横波と考えてみると、どうもうまくいかない。絃楽器の「絃」ようでなければ横波は伝わらないのである。縦波とされた理由はそこにあった。

マクスウェルの方程式は電磁波を予言したし、ヘルツはその送受信を実証した。真空の誘電率と真空の透磁率によって光速度が算出できる(後述)ことから、光は電磁波と予想された。コーシーはエーテルの圧縮率を負と算出し、グリーンは斯様な流体は安定性がないと示した。つまり「エーテル同士は強く相互作用・普通の物質とは相互作用しない」という性質が示された。

エーテルの検出実験(マイケルソン・モーリーの実験)

長々と述べたエーテル理論を証明するための実験が十九世紀に成される。とくにこの実験は有名であって、マイケルソンはこの功績によって、ノーベル賞を受賞している。端的に結論を述べると、高い精度でエーテルが検出できると考えられたこの実験は、失敗に終わる。つまりエーテルなど存在しないと証明されてしまった。この実験は物理学の世界を大きく塗り替えた実験であるから、大変に重要な実験である。ただその実験例題を紹介するのは面倒なので、適当に検索して欲しい。

こういう風に考えてみると、光という奴は短い期間に大きく見方が変わった存在だとわかる。詰まる所多くの問題を抱えたまま二十世紀を迎え、その初頭、アインシュタインによって解決されることになる。

現在では、光は「粒子・波動(横波)」両方の側面を持つと解釈され、電磁波(光)を伝播する物質は、「光子」であると考えられている。

電気(静電気)

電荷の持つ性質とか、それを応用したコンデンサについて触れる。

V=RI Q=It 1クーロンは1アンペアの電流が1秒ながれたときの電気量だ! ちなみに電子1個の電子量は1.6*10^(-19)[C]だ

初めに

電磁気学の本(電磁気学;高橋;裳華房)の前書きを読んで思った事を書く。電磁気学の解法には、昔から二つの方針があるらしく、何でも、戦後暫くしての状況に於てもそうだったらしい。

  • 理学系:ラプラス方程式を遣いたがる。
  • 工学系:オームの法則を遣いたがる。

以下でも書いたけど、「電場」「電界」等用語の不一致も、昔は普通だったみたいで、これは電磁気学が二〇世紀初頭に目覚ましい発展を遂げた証拠でもあるだろうけれど、二十一世紀の我々にしてみれば、因習以外の何者でもないようにも思える。要するに工学系は電気廻路だとか実際的な、理学系は純粋に自然現象を対象とし体系的網羅的な学問を学ぶ事に原因があるのだろう。

こういった表現は一つの譬喩と思って欲しいけれど、たしかに、電磁気学の中でも、両分野が偏りガチに思える。そのせいか二つの世界の繫がりがみえなくて四苦八苦する事もあるかもしれない。まあガンバッテネ。

ちなみにこの「物理」の項では、「電気」「電磁」と分割してある「電磁気学」だけど、前半がオーム的で、後半がラプラス的な構成要素が中心になってくる。理学系の人からすれば、「キルヒホッフの法則」は実用的すぎて、全く意味がない。むしろ磁場が電場に与える諸影響に興味がある。工学系の人からすれば、「ローレンツ収縮」とか謂われても、一般的な電気廻路では必要ないと感ずる。むしろインダクタンスを計算できたりして、設計をキッチリこなしたいと思うことだろう。そうはいっても、ここでは高校程度に留めてるから、おのづとオーム的になる。でもラプラス的な物も大事な事だから、できうる限り鏤めていきたい。

電荷

ミリカンの油滴実験により、電子の電荷が計算された。単位はクーロン。

電荷には、正電荷、負電荷があって、歴史的経緯から電子は負電荷と定義される(電流の向きと電子の流れる向きを誤ったことに由来)。

電荷を集めた点を仮想して、点電荷と謂って、質点に近い概念。点電荷は、符号が異なると引力、符号が同じだと斥力を生じる。その強さは距離一定の時は電荷量に比例する。また電荷量が一定で距離を変更すると、距離の二乗に反比例する。このことをクーロンの法則と謂い、万有引力の法則の式に近い。比例定数を k として定義する。

F = k\frac{q_1q_2}{r^2}

電場

F = qE
E = k\frac{q}{r^2}

クーロンの法則から単位電荷あたりに生じる力を考えることができ、その力を与える力場を電場と謂う。二つの点電荷のうち片方に電荷を与えて固定し、もう片方の電荷を適当に変化させてやると、点電荷間に生じる力には大なり小なりがあるわけ。しかしこれは電荷の変化量と比例関係にあるわけで、固定した点電荷から何らかの力が働いていると考えることができる。これを電場とするわけですね。

電場と電界ってどう違うのさ

まあ一緒なんだけど、理論系の人は「場」、工学系の人は「界」を遣います。ここでは「場」で統一してしまいます。ふむ、「重力場」と云うけど、「重力界」と云わないのは、もしかして工学的価値や理論がないからかもね。

静電誘導

帯電してない状態の導体を適当に持ってきて、そこに帯電した物体、とりあえず例として、+に帯電した物体を近づけてみよう。 そうすると、クーロン力の影響で導体の電子が+に引き寄せられるわけです。そうすると、電子が一方に偏って、もう一方は電子が消えた状態、つまり+に帯電するようなことになるということです。

電束

電気力線の束。 電気力線では、後で説明する空間の物質の誘電率εによって本数が変わってしまう。 じゃあ変わらないようにしてしまえ、というのが電束。 +Q[C]の電荷からQ本の電束が出ると考える。単位は[C]になります。 また、1[㎡]あたりにどれだけの電束が貫いているかを電束密度といいます。 量記号はDで、単位は[C/㎡]

D = \frac{q}{A} = {\varepsilon} E

ガウスの法則

誘電率と比誘電率

誘電率は量記号εで、単位は[F/m]です。 こいつは、電荷のたくわえやすさを表します。 具体的にはコンデンサのところで。 真空中の誘電率は、ε0で表し、その数は8.85*10^-12[F/m]。 空気中もほとんど同じ値です。 真空中の誘電率に対してその物質が何倍の誘電率を持っているのかを比誘電率といいます。量記号はεrです。

{\varepsilon}_r = \frac{{\varepsilon}}{{\varepsilon}_0}

で、クーロンの法則に出てきた比例定数kは、以下のようになります。

k = \frac{1}{4{\pi}{\varepsilon}}

電位

電界の中に電荷を置くと、静電力を受けます。その静電力に逆らって単位正電荷+1[C]を無限遠点から点Pまで移動させるのに必要な仕事V[J/C]をP点の電位といいます。 [J/C]は、一般的には[V]と表されますので、以降はこちらを使います。

V = \frac{q}{4{\pi}{\varepsilon}r}

そして、A点とB点の間の電位の差Vabを電位差とか、電圧といいます。

V_a_b = V_a - V_b

また、無限遠点においては電界の強さは0となるので、このときの電位を零電位といいます。つまり点Pの電圧というのは無限遠点との電位差ってこと。それと、実用上は大地を零電位にして考えます。つまり、これが接地(アース)。

静電容量とコンデンサ

コンデンサとは、電荷をためる部品のことです。別名キャパシタ、静電容量など。英語ではCapacitorなので、コンデンサは日本特有の言い方らしい。 こいつはあなたが今使っているであろうPCやら携帯やらあらゆるところで使われてます。 電荷のたまったコンデンサを触れば、弱電(電子回路とか)ならデータが飛んだとかその程度で済むかもしれないけど強電(電力関係とか)になると腕が吹っ飛ぶとか非常に怖い。ともかく、コンデンサは幅広く用いられているのでそれについて学習しましょうということです。

静電容量

平行板のコンデンサについて考えて見ましょう。金属板2枚を持ってきて、それを使って誘電体(絶縁体)の板をはさんでしまいます。これで平行板コンデンサの完成です。 金属板2枚の間に電圧V[V]を加えてみると、陽極側には+Q[C]、陰極側には-Q[C]が出てきます。このとき、電圧V[V]と電荷Q[C]の間には比例関係があります。

q = CV

この比例定数Cを静電容量といいます。もしくはキャパシタンスとか。 単位は[F](ファラド、ファラッド)です。 また、これをCについて解きなおすと

C = \frac{q}{V} = \frac{{\varepsilon}A}{l}

となります。つまり、はさんだ誘電体の誘電率と金属板の面積、そして金属板同士の距離で静電容量が決まるということになります。

補稿

ミリカンの油滴実験

直流回路

オームの法則やキルヒホッフの法則などの回路についての法則と、電気抵抗について触れる。

直流と交流

直流(Direct Current)とは、常に同じ方向に電流が通じるもの。

交流(Alternating Current)とは、ある周期で電流の向きが変わってしまうもの。交番電流の略です。

今回は特に直流回路の性質について触れていきます。

起電力と接地

電位差を生じさせ、電流を流すことのできるものを起電力という。 量記号はEで、単位は[V]。

ただし、電位の項目で説明したとおり、電圧はある点を基準(0[V])として考えます。 その基準点は、実用上大地を用いることが多く、その基準点を接地(アース)といいます。 電池の+端子をアースにとると、-端子側は負の電圧が出るということになります。

オームの法則と電圧降下

電流や電圧のエネルギーを、他のエネルギーに変換するものを負荷と呼びます。 例えば電球やLEDは電流を通じると、光エネルギーに変換させています。 この負荷は、電流を妨げる働きを持っています。これを電気抵抗といいます。量記号R、単位は[Ω]です。 そして、抵抗に加わっている電圧と電流、抵抗の関係を調べてみると以下の式が成り立ちます。

V = IR

また、抵抗の逆数をコンダクタンスといいます。これは電流の流れやすさを表してます。量記号G、単位は[S](ジーメンス)です。

G = \frac{1}{R}
I = GV

ここで、電圧降下という言葉を説明します。 上にあるとおり、抵抗R[Ω]にI[A]の電流を流すときには電圧V[V]が必要ですが、これを言い換えれば、抵抗にI[A]の電流を流すと、V[V]だけ電圧が下がるとも言えます。 つまり、起電力E[V]の電源にいくつも抵抗を直列につなげていけば、始めの電圧はE[V]で、だんだん電圧が下がり、最後には0[V]になる、ということになります。 この抵抗に電流を流すと電圧が下がる現象を、電圧降下と呼んでいます。

抵抗の直列接続と並列接続

直列接続とは、明らかに同じ電流が流れるようにつないだ状態のこと。 並列接続とは、明らかに同じ電圧が加わるようにつないだ状態のこと。

まず、直列接続について。 とりあえず、2つの抵抗R1,R2を直列につなぎ、起電力E[V]を加えてみましょう。 電流I[A]とすると、R1,R2ともに同じ電流が流れるので、それぞれの抵抗に加わっている電圧は、オームの法則から

V_1 = IR_1
V_2 = IR_2

となります。こうすると、V1とV2の和は起電力に等しいので

E = V_1+V_2 = IR_1+IR_2 = I(R_1+R_2)
\frac{E}{I} = R_1+R_2

となります。すると、R1,R2の直列接続時の合成抵抗は単純にR1+R2となることがわかります。

では、並列接続ではどうなるでしょうか。 並列接続では電圧が等しいので

I_1 = \frac{E}{R_1}
I_2 = \frac{E}{R_2}

となります。I1とI2は、起電力から流れる電流Iが枝分かれしただけなので、

I = I_1+I_2 = \frac{E}{R_1} + \frac{E}{R_2} = E(\frac{1}{R_1}+\frac{1}{R_2})
\frac{I}{E} = \frac{1}{R_1} + \frac{1}{R_2} = \frac{1}{R} = G

合成抵抗Rの逆数は、R1とR2の逆数の和ということになります。 これは計算が大変なので、並列接続時は抵抗よりもコンダクタンスで計算するほうが楽なことも多いです。

キルヒホッフの法則

キルヒホッフの法則は2つあります。

キルヒホッフの第1法則 「ある点に入り込む電流の総和と出ていく電流の総和は等しい」

キルヒホッフの第2法則 「ある閉回路中において、起電力の総和と電圧降下の総和は等しい」

エネルギーと電力

静電気のところでも説明したとおり、電荷が電圧の違うところへ移動するとエネルギーが生じます。これはもちろん電気回路の中でも起こります。電圧の違うところへ電荷が移動、つまり電流が流れるとき、エネルギーが発生するということになります。

高い電圧のところから低い電圧のところへ電流が流れるとき、そこには抵抗が存在しています。ふつう、その抵抗R[Ω]に電流I[A]が流れると、熱エネルギーが発生します。この熱エネルギーはジュール熱と呼ばれています。そのジュール熱Q[J]は、電流の流れる時間t[s]を用いて、以下のように表されます。

Q = I^2Rt

また、このエネルギーの単位時間あたりにする仕事の大きさを電力といいます。 量記号はP、単位は[W]です。

P = \frac{Q}{t} = I^2R

ここで、オームの法則を適用していくと以下のようにも表せます。

P = I^2R = VI = \frac{V^2}{R}

ちなみに、家庭の電気料金は消費したエネルギー(これを電力量ともいう)で決まっています。興味のある人は家のどこかにある電力量計を探してみよう。

電気抵抗

今まではオームの法則から電気抵抗を考えてきましたが、別の方向から電気抵抗というものを考えて見ましょう。

抵抗率と導電率

抵抗とは、電流の流れを妨げるものです。この流れを妨げる働きはその物質によって異なります。この働きの程度を表しているのが抵抗率です。量記号はρ、単位は[Ω・m]です。また、物質の特性だけではなく、電気抵抗は断面積A[㎡]や、抵抗の長さl[m]によっても変化します。

すると、電気抵抗は以下のように表されます。

R = \rho \frac{l}{A}

また、抵抗率の逆数を導電率といい、σで表し、単位は[S/m]です。 これを用いてコンダクタンスG[S]を表すと以下のようになります。

\sigma = \frac{1}{\rho}
G = \sigma \frac{A}{l}

また、電流の流れやすい物質を導体、流れにくいものを絶縁体、中間くらいのものを半導体と呼びますが、これは抵抗率で決まっています。 おおよそ10^-4[Ω・m]以下のものが導体、10^4[Ω・m]のものが絶縁体、その間にあるものが半導体です。

抵抗温度係数

電磁(電流と磁場)

電流、磁場から電磁誘導、電磁波に触れる。

磁力

磁石にはN極とS極が存在します。 2つの磁石を近づけたとき、極の組み合わせによって力のはたらき方が変わります。

N極同士を近づけると斥力(反発力)がはたらく。

S極同士を近づけると斥力がはたらく。

N極とS極を近づけると引力がはたらく。

磁荷

ここで、仮想的に磁荷というものを考えます。 磁荷は磁極の強さを表します。量記号はmで、単位は[Wb](ウェーバ)です。 mが正のときN極となり、mが負のときS極となります。 これを考えると、静電気力のときのように磁力についてもクーロンの法則も成り立ちます。

F = k\frac{m_1m_2}{r^2}

ちなみにこの比例定数kは、静電気力のときのkとは別の値をとります。

磁場

磁場の定義も電場の定義と似ています。 1[Wb]の単位正磁荷にはたらく力の大きさと向きを表します。 量記号はH、単位は[A/m]です。

H = k\frac{m}{r^2}
F = mH

磁場と磁界ってどう違うのさ

電場、電界の違いに同じ。ちなみに電束=電荷とした考え方も同じで、つまり磁荷=磁束みたいな感じもある。云うまでもなく、計算のためだと思われる。

透磁率

あまり触れなかったクーロンの法則にある比例定数k。 kは以下のように表されます。

k = \frac{1}{4{\pi}{\mu}}

このμを透磁率といいます。単位は[H/m]。この値は媒質によって変化します。 また、真空中(空気中)の透磁率をμ0で表します。

そして、その媒質において真空中の透磁率に対して何倍の透磁率を持っているのかを比透磁率と言い、μrで表します。

{\mu}_r = \frac{{\mu}}{{\mu}_0}

磁力線

磁場がどのような方向に向いているのかを表すために、磁力線というものを考えます。

・磁力線はN極からS極へ向かって描く。 ・磁力線は交わらない。 ・磁力線密度の大きいところは磁界の大きさが大きい。

などのルールがあります。

磁束と磁束密度

磁力線は磁場の大きさでその本数は変わります。つまり、媒質によって本数が変わってしまう。 それでは磁気回路というものを考えるときなどに不便なので、媒質によって本数の変化しない磁束というものを考えます。 磁束の量記号はΦ、単位は[Wb]です。 また、1[㎡]あたりの磁束の量を磁束密度と言います。 量記号はB、単位は[Wb/㎡]=[T](テスラ)です。

B = \frac{\Phi}{A} = {\mu}H

アンペールの法則

磁場の大きさと微小部分の長さの積の総和は磁力線内に含まれる電流の総和に等しい。

H_1l_1+H_2l_2+\cdots = I_1+I_2+\cdots

電磁力

磁束密度B[T]の磁場が生じている場においてl[m]の導体に電流I[A]が通じていて、導体と磁界の角度をθとしたとき、電磁力F[N]が生じます。

F = BIl\sin{\theta}

電磁力の向きは、磁場にも電流の方向にも垂直な向き。 フレミングの左手の法則を使うと簡単にわかります。 左手の中指、人差し指、親指を電流、磁場、力として、それぞれ垂直にすると向きがわかります。

電磁誘導

例えば、導線を巻いて作ったコイルを用意して、その両端を検流計につなぎます。 そのコイルの中に磁石を近づけると検流計の針が振れます。 この現象を電磁誘導と言います。

電磁誘導は、磁束の時間的な変化があると発生します。 つまり、磁石を近づけても動かさなければ電磁誘導は起きないし、一気に近づければ電磁誘導の効果も大きいということ。

また、別にコイルではなくても磁束の変化さえあれば誘導電流は発生します。 四角い鉄なんかでも、誘導電流が出てきます。 このとき電流は渦状に流れるから、渦電流なんて言われています。 リニアモーターカーとかはこいつを利用してるそうです。

レンツの法則

電磁誘導によって電流が発生するとき、その電流の向きは電磁誘導を引き起こした磁束の変化を妨げる方向である。 つまり、磁束の変化をできるだけなくすようなはたらきをするということ。

誘導起電力

電磁誘導によって電流が通じるということは、そこには起電力が発生していると考えられます。 その起電力e[V]は磁束Φ[Wb]の時間的変化に比例して大きくなります。 ここで、N回巻きコイルについてその誘導起電力を表すと

e = -N\frac{{\Delta}{\Phi}}{{\Delta}t}

この-は、向きを表しています。

インダクタンス

今度は、コイルに電流I[A]をあらかじめ通じておきます。 そして電流を⊿I[A]だけ増やすと、その電流によって発生する磁束も増えてしまいます。 すると磁束が変化したことになり、コイルに誘導起電力が発生します。 この電磁誘導のことを特に自己誘導と言います。 このとき、自己誘導起電力e[V]を式で表すと

e = -N\frac{{\Delta}{\Phi}}{{\Delta}t}

ここで、

{\Phi} = BA = {\mu}AH = \frac{{\mu}ANI}{l}

となるので

e = -\frac{{\mu}AN^2}{l} \cdot \frac{{\Delta}I}{{\Delta}t}

となります。

そこで、

L = \frac{{\mu}AN^2}{l}

とするとeはこのようになります。

e = -L\frac{{\Delta}I}{{\Delta}t}

このLを自己インダクタンスといい、単位は[H](ヘンリー)です。 それから、他にも相互インダクタンスMなんてものがあったりします。

コイルのパラメータのひとつとしてインダクタンスが定まります。 材質、断面積、長さ、巻き数で決まるので、コイルを作った時点でそのインダクタンスがわかってしまうということになるわけです。 そういう意味もあってか、コイルのことをそのままインダクタンスって呼んだり、インダクタって呼んだりします。交流回路の説明のときはそっちの名前で呼ばれることのほうが多いらしい?

交流回路

周期的に電流の向きが変わる回路、交流回路について。 交流にはさまざまなものがありますが、ここでは正弦波交流のみを扱い、以降交流と単に言ったときは正弦波交流を指します。

また、交流において電圧や電流は小文字で表すのが慣習ですので、こちらもそれにあわせます。つまり、電圧はeで電流はi。

起電力について

交流回路の起電力は、導体の円運動によって発生しているので正弦で効いてきます。 起電力の最大値をEm[V]、ある時刻t[s]における起電力(瞬時値と呼ぶ)をe[V]とする。

e = E_m\sin({\omega}t) = E_m\sin(2{\pi}ft)

このω[rad/s]は角周波数といい、発電機によって異なります。 f[Hz]は周波数です。1秒間に何サイクルするか。 昔はサイクル・パー・セコンドで、[c/s]と表したりしていました。古い本とかにはそっちで書いてあるかも。 また、コンセントからは正弦波交流電圧が出ていますが、東日本では50[Hz]で西日本は60[Hz]だそうです。 これは初めに買った発電機が東日本と西日本でそれぞれ違っていたことに由来しています。

平均値

e = E_m\sin({\omega}t)

の平均値を求めてみましょう。

常に周期的に同じ形が符号反転で変わっているから平均値は0だ!(グラフ見れば一目瞭然)

というのも間違いではないのですが、これはあんまり意味が無いので半周期分の平均値を交流の平均値と定義します。 電圧も電流も同じことですが、とりあえず電圧の式で表すと以下のようになります。

E_A_v = \frac{2}{T}\int_{0}^{\frac{T}{2}}E_m\sin({\omega}t)\, dt = \frac{{\omega}}{{\pi}}\int_{0}^{\frac{{\pi}}{{\omega}}}E_m\sin({\omega}t)\, dt = \frac{E_m}{{\pi}}\left[-\cos({\omega}t)\right]_0^{\frac{{\pi}}{{\omega}} = \frac{2}{{\pi}}E_m

実効値

電源e[V]を抵抗R[Ω]に接続し、電流i[A]を流します。 このとき抵抗R[Ω]での電圧降下をvR[V]、瞬時電力をp[W]とすると

v_R = Ri = RI_m\sin({\omega}t)
p = v_Ri = RI_m^2\sin^2({\omega}t) = \frac{1}{2}RI_m^2(1-\cos(2{\omega}t)

この瞬時電力の平均値PAv[W]は

P_A_v = \frac{1}{2}RI_m^2 = \left(\frac{I_m}{\sqrt{2}}\right)^2R

ここで

I = \frac{I_m}{\sqrt{2}}

とすると

P_A_v = I^2R

となり、直流の電力の式と同じようになります。 このIを電流の実効値と呼びます。電圧も同様に表します。

E = \frac{E_m}{\sqrt{2}}

位相差とベクトル

基準電圧e[V]と、2つの電圧e1[V]とe2[V]を比べてみます。

e = E_m\sin({\omega}t)
e_1 = E_m\sin({\omega}t+{\theta}_1)
e_2 = E_m\sin({\omega}t-{\theta}_2)

とします。 このとき、e1はeよりθ1だけ進んでいると表現し、e2はeよりθ2だけ遅れていると表現します。

交流回路の解析においては、この位相差の角度と実効値の大きさを取り出したベクトルとして考えることが多いです。(大きさ)∠(位相差)で表します。例として上3つの電圧を表現すると

\dot{E} = E \angle0
\dot{E_1} = E \angle{\theta}_1
\dot{E_2} = E \angle{\theta}_2

上のように、電気の場合はベクトルを表すドットを頭につけることが多いです。

電流と電圧の合成

電流でも電圧でもやりかたは一緒です。 今回は電流の合成を取り上げてみます。

i_1 = I_m_1\sin({\omega}t+{\theta}_1) = \sqrt{2}I_1\sin({\omega}t+{\theta}_1)
i_2 = I_m_2\sin({\omega}t+{\theta}_2) = \sqrt{2}I_2\sin({\omega}t+{\theta}_2)

このi1とi2を合成するにあたって、2つのベクトルI1,I2を考えます。

\dot{I_1} = I_1 \angle {\theta}_1
\dot{I_2} = I_2 \angle{\theta}_2

合成電流iのベクトルIは、この2つのベクトルの和です。

\dot{I} = \dot{I_1} + \dot{I_2}

Iのx軸方向成分Ixは

\dot{I_x} = \dot{I_1}\cos {\theta}_1 + \dot{I_2}\cos {\theta}_2

Iのy軸方向成分Iyは

\dot{I_y} = \dot{I_1}\sin {\theta}_1 + \dot{I_2}\sin {\theta}_2

したがって、Iの大きさと角度θは以下のようになります。

|\dot{I}| = \sqrt{|\dot{I_x}|^2+|\dot{I_y}|^2}
{\theta} = \arctan \left(\frac{|\dot{I_y}|}{|\dot{I_x}|}\right)

よって合成電流iは以下のようになります。

\dot{I} = |\dot{I}| \angle {\theta} = \sqrt{|\dot{I_x}|^2+|\dot{I_y}|^2} \angle \arctan \left(\frac{I_y}{I_x}\right)
i = \sqrt{2}|\dot{I}|\sin ({\omega}t + {\theta})

ここで非常に重要なことですが、このようなベクトル記号法で計算する場合は、周波数(もしくは角周波数)が同じでなければできません! ベクトル記号法は実効値の大きさと位相差のみの情報をもとに計算しているからです。

リアクタンス(誘導抵抗)

交流回路では、コンデンサ(キャパシタンス)やコイル(インダクタンス)も抵抗と同じように電流を制限します。ただし、その振る舞いは特徴があるので、それを見て行きます。

純抵抗回路

リアクタンスの話に入る前に、ただの抵抗器をつなげたときの話をしておきます。 交流回路においても抵抗器R[Ω]はオームの法則にしたがって電流を制限します。

e = \sqrt{2}E \sin({\omega}t+{\theta})

ならば

i = \sqrt{2}\frac{E}{R} \sin({\omega}t+{\theta})

そのままオームの法則です。 電流iの実効値Iは電圧eの実効値Eを抵抗値Rで割ることによってもとめられます。

誘導リアクタンス

インダクタンスは、電流の変化があると誘導起電力を発生してしまいます。 つまり、電流が基本的に一定な直流回路においてはインダクタンスは普通の導線に近い振る舞いをします。 (ただし、向きさえ変わらなければ直流回路といえてしまうのですが、一般的には電流や電圧は一定になってます)

しかし、交流回路は電流の大きさが時間に沿って周期的に変化しています。 とりあえず今回は正弦波交流についてだけ考えて見ましょう。 角周波数をω[rad/s]とすると、電源電圧eの式は以下のようになります。

e = \sqrt{2}E\sin({\omega}t)

電源をインダクタンスLにつないでみます。 このとき、インダクタンスLは誘導起電力eLを発生させます。 eLとeは逆向きで同じ大きさを持つはずなので、以下の式が成り立ちます。

e = -e_L

ここで、eとeLに代入し

\sqrt{2}E\sin({\omega}t) = L\frac{{\Delta}i}{{\Delta}t}

これを時間tで積分すると

\frac{\sqrt{2}E}{\omega} \left\{-\cos({\omega}t)\right\} = Li
i = \frac{\sqrt{2}E}{{\omega}L} \left\{ -\cos({\omega}t) \right\} = \frac{\sqrt{2}E}{{\omega}L}\sin({\omega}t-\frac{{\pi}}{2})

この式から、電流は電圧に対して90゚だけ遅れているということがわかります。 ここで、電圧と電流の実効値の比を考えてみます。

\sqrt{2}I = \frac{\sqrt{2}E}{{\omega}L}
\frac{E}{I} = {\omega}L

これはオームの法則からわかるように、[Ω]の単位を持ちます。 このωLを誘導リアクタンスといいます。 量記号XL、単位[Ω]です。

X_L = {\omega}L = 2{\pi}fL

ωに2πfを代入してみると、XLは周波数に比例していることがわかります。 つまり、周波数が大きいほど電流を流しにくいということになります。

容量リアクタンス

抵抗、コイルの次はコンデンサです。 起電力eは前と同様です。

コンデンサのキャパシタンスC[F]は、以下のような関係式がありました。

Q = CV

この電圧降下Vがeと等しくなります。 また、蓄えられる電荷Q[C]は電流i[A]を用いて以下のように表されます。

Q = \int \! idt

したがって、

\int \! idt = \sqrt{2}CE\sin({\omega}t)

この式を時間t[s]で微分すると

i = \sqrt{2}{\omega}CE\cos({\omega}t)

よって、電流i[A]は以下のような式になります。

i = \sqrt{2}{\omega}CE\sin({\omega}t+\frac{{\pi}}{2})

つまり、電流は電圧に対して90゚進んでいると言えます。

ここで、電流の実効値I[A]と電圧の実効値E[V]の比を考えてみます。

\sqrt{2}I = \sqrt{2}{\omega}CE
\frac{E}{I} = \frac{1}{{\omega}C}

これは、オームの法則の通り[Ω]の単位を持ちます。 この1/ωCを容量リアクタンスと呼び、XCで表します。

X_C = \frac{1}{{\omega}C} = \frac{1}{2{\pi}fC}

この式は、容量リアクタンスは周波数f[Hz]に反比例していることを表してます。 つまり、周波数が小さいほど電流が流れにくいことになります。

LC廻路

直列共振

RとLとCをそれぞれ直列に接続します。 (Rを接続する理由は後述)

直列回路では電流が一定なので、i[A]を基準として考えます。 起電力eは、R,L,Cそれぞれの電圧降下vR,vL,vCの和となります。

それぞれを実効値で表すと

V_R = IR
V_L = IX_L = {\omega}LI
V_C = IX_C = \frac{I}{{\omega}C}

ところで、VRは同相でしたがVL,VCは位相が変わっていました。 それぞれをベクトルで表すと

\dot{V_R} = V_R\angle0
\dot{V_L} = V_L\angle \frac{{\pi}}{2}
\dot{V_C} = V_C\angle -\frac{{\pi}}{2}

これのベクトル和なのですが、電流はすべて共通項になっているので、抵抗とリアクタンスのベクトル和として位相を考えることもできます。

\dot{R} = R\angle0
\dot{X_L} = X_L\angle \frac{{\pi}}{2}
\dot{X_C} = X_C\angle -\frac{{\pi}}{2}

XL,XCはπ[rad]ずれているので、ベクトル和としてはXL-XCで表せます。 また、この抵抗値の大きさをZ、電流に対する位相差をθとおくと

Z = \sqrt{R^2+(X_L - X_C)^2}
{\theta} = \arctan \left(\frac{X_L-X_C}{R}\right)

このZをインピーダンスと呼び、単位は[Ω]です。 また、θをインピーダンス角と呼びます。

Zの式を見ればわかるとおり、XL = XCのときZは最小、つまり電流が良く流れます。 このときの周波数をf0[Hz]とおくと

X_L = X_C
2{\pi}f_0L = \frac{1}{2{\pi}f_0C
(2{\pi}f_0)^2 = \frac{1}{LC}
f_0 = \frac{1}{2{\pi}\sqrt{LC}

このf_0[Hz]のとき、電流が良く流れます。 このf_0を共振周波数と呼びます。

つまり、LとCの値でどの周波数の成分の電流を選び出すか決めることができるということです。 Rを入れなければ大きな電流を取り出すことができますが、インピーダンスがほぼ0[Ω](導線の抵抗を考えると0[Ω]ピッタリとはならない)となるので、無限大に近い電流が流れてしまい、危険です。(つまり、短絡(ショート)してることと同じ) そのためのRということです。

並列共振

補稿

インピーダンスと複素数

インピーダンスに複素数の考え方を導入すると、交流回路の解析が非常に楽になります。

誘導リアクタンス分は電流に対して電圧が90度進み、容量リアクタンス分は電流に対して電圧が90度遅れるものでした。 この90度のズレを虚数単位j(数学ではiですが、電流とかぶるので電気ではjと表すことが多いです)を用いて表すことができます。 詳しくは数学のページを参照のこと。 jを掛け算すれば偏角が+90度、jを割り算すれば(つまり-jを掛け算すれば)偏角が-90度ずれるというものでした。 これを利用し、リアクタンスXとインピーダンスZは以下のように表せます。

X = jX_L - jX_C = j{\omega}L - j\frac{1}{{\omega}C} = j\left({\omega}L - \frac{1}{{\omega}C}\right)
\dot{Z} = R + jX

これの何が便利かというと、ベクトルでは表せない割り算を表すことが出来るという点です! 極座標で表したときの複素数の割り算では大きさを割って偏角を引けばいいのです。

また、割り算が出来るようになったことで、交流回路において、直流回路で言えばコンダクタンスのようなものも考えることが出来るようになります。リアクタンスの逆数をサセプタンス、抵抗の逆数をコンダクタンス、インピーダンスの逆数をアドミタンスといいます。 量記号はそれぞれB,G,Yで、単位はすべて[S]です。

\dot{Y} = G + jB

アドミタンスを利用すると並列回路の計算が容易になります。

ビオ・サバールの法則

マクスウェルの方程式

トムソンの実験とブラウン管

誘電率と透磁率が導く光速度

ベータトロンの原理

ローレンツ力の意義

ローレンツ力だけ考えてみると、ある矛盾がでてくるわけですが、この電磁気学的課題を解決したのが特殊相対性理論であって、ローレンツ変換だとかローレンツ収縮だとかは、もともとそこに至る過程に過ぎないのです。 ここではその矛盾について考えたいのですけど、すこし例題がややこしいのです。なので割愛します。なおエーテルについてはマイケルソン・モーリーの実験を参照して下さい。

半導体素子

ダイオードやトランジスタについて。 半導体無しにしてコンピュータのハードを語ることはできません。 厳密性を結構欠いてると思うので、どんどん修正してください。 理学的なところを出ちゃうけど、ダイオードの種類とかについてもまとめておきます。 いらないなら消してください。

半導体とは

銅や金などの金属類は電気を良く通します。このような性質を持つものを導体と言います。 逆にゴムや空気などは電気を通しにくいです。こちらは不導体もしくは絶縁体と言います。 そして、シリコンやゲルマニウムなどは導体と絶縁体の中間の性質を持ちます。これを半導体と呼びます。

p型半導体とn型半導体

現在使われているものとしてはシリコンがほとんどでゲルマニウムがたまにあるという感じなので、扱う半導体は4価元素であることを前提としておきます。

不純物を含まない純粋な半導体を真性半導体と言います。

真性半導体に3価元素の不純物を微量混ぜることで、その部分では電子が1つ不足してそこに電子が入れる穴のような部分ができます。この部分を正孔(ホール)と呼び、相対的に正の電荷を持っているように見えます。このような半導体をp型半導体(positiveのp)と呼びます。 また、この不純物をアクセプタと呼びます。

逆に、真性半導体に5価元素の不純物を微量まぜることで、その部分では電子が1つ多いように見えます。これが自由電子となります。このような半導体をn型半導体(negativeのn)と呼びます。また、この不純物をドナーと呼びます。

また、電荷を運ぶための媒体のようなものをキャリアと呼びます。 p型半導体の多数キャリアは正孔で、n型半導体の多数キャリアは自由電子です。

pn接合ダイオード

p型半導体とn型半導体がくっついた2端子素子をpn接合ダイオードと呼びます。 p型半導体とn型半導体がくっついた部分は中和されるかのように、自由電子が正孔に入り込みます。この現象を拡散現象と呼び、この部分を空乏層と呼びます。 ただし、p型半導体には正孔が多いので、空乏層内部の自由電子が若干引き寄せられます。逆にn型半導体のほうには正孔が引き寄せられます。すると、空乏層内部に電位が発生します。この電位を拡散電位と呼びます。

ここで、p型半導体側に正電圧を加えると、p型半導体側にはさらに正孔が入ってきて、あふれた正孔が空乏層内部の自由電子と再結合します。逆にn型半導体側には電子がどんどん入ってきて、あふれた電子が空乏層内部の正孔と再結合します。これによって空乏層の拡散電位が下がり、電流が通じるようになります。

逆にn型半導体側に正電圧を加えると、n型半導体の領域で電子と正孔が再結合してしまい、さらに拡散現象が進んでしまいます。逆もまた然り。結局電流は流れないことになります。 ただし、ものすごい電圧を加えればさすがに半導体が耐えられずに一気に電流が流れてしまいます。この電圧を降伏電圧と呼び、この現象を降伏現象(ブレークダウン)と言います。これが続けば普通のダイオードは壊れます。

また、ダイオードにおいて、p型半導体側の端子をアノード、n型半導体側の端子をカソードと言います。実際のダイオードはカソード側にマークがついています。 アノード側に加える正電圧を順方向電圧、カソード側に加える正電圧を逆方向電圧と呼びます。シリコンダイオードの場合、およそ0.6[V]の順方向電圧を加えれば十分電流が流れます。

それから、ダイオードの電流-電圧特性は比例で表せません! このような電流-電圧特性グラフが直線にならないような素子を非線形素子といいます。

まとめると、ダイオードはアノードからカソードへは電流を流すが、逆は流さないという一方通行の標識のようなはたらきをします。このことを整流といいます。

特殊なダイオード

LED(Light Emitting Diode)
アノードからカソードへ電流を流せば光が出るダイオード。
ツェナーダイオード
降伏電圧を低くすることで、普通のダイオードと逆に接続すると電流が変動しても電圧がほとんど変わらないようにしたダイオード。別名定電圧ダイオード。
可変容量ダイオード
逆方向電圧を加えることで変わる空乏層の厚さを利用し、静電容量が変わるコンデンサのようなダイオード。別名バリキャップ、バラクタダイオード
フォトダイオード
LEDの逆で、光を受けると電流が流れるダイオード。

トランジスタ

特殊なトランジスタ

核物理学(原子と原子核)

量子力学の成果を高校向けに咀嚼した物。やや物理化学よりだが、光の粒子性、電子の波動性、原子構造・原子核放射(輻射)性崩潰、核エネルギー・素粒子に到る。現代物理に近いので曖昧にならざるをえない。

原子量の定義

同位体の発見は遅い。原子構造が明らかになったのは、メンデレーエフによる周期表の発表より遅いわけだから、当然といえば当然かもしれない。原子量は、周期表に並んでいる原子に割り当てられたきたようなもの、と考えても問題は無い。しかし同位体が発見されると、原子量にはずれが生じた。

一般に原子量とは、基準となる原子からの比例値でしかない。なのでこれを相対原子量と謂う。kg 原器等の質量単位で表される絶対原子量は、相対原子量に比例定数をかける必要があり、その比例定数を原子質量単位と謂う。

ファラデーの電気分解

流した電荷量と生成物の質量が比例する法則をファラデーの(電気分解の)法則と謂う。なおファラデー定数は、電荷量Qと電流Iを時間tで結びつける比例定数である。

電気分解は定量分析等に有用。高純度物質の精錬にも用いられ、銅の電気精錬は有名。重水の単離にも用いられる。

光電効果

光をあてると電子が飛び出すことがある。飛び出した電子は螢光面にぶつけることで観測できる。この電子は光電子と謂い、この現象を光電効果と謂う。またこの実験で用いるような器械を光電管と謂い、光の検出等に用いる(光をあてると電流が流れるが、微弱なので、通常これを増幅する必要がある)。

ただし、光とは云っても紫外線とか強い光を照射した場合の話。この光電効果は、当時の物理学に大きな謎を与えることになる。

  • 一定の振動数より大きくなければ光電効果は起きないこと。
  • 振動数の変化によって光電子のエネルギーは変化するが、光電子数は一定であること。
  • 強い光を与えると光電子数は増大するが、光電子のエネルギーは一定であること。

この発見こそ量子論の曙である。

量子仮説とプランク定数

仕事函数

原子模型とボーアの量子條件

スペクトルと電子励起

コンプトン効果

光子の運動量とアインシュタインの関係

電子の波動性

物質波とド・ブロイ波

不確定性原理

原子核の構成

補稿

素粒子等の種類

補稿

現代物理学で特に重要な理論があります。黒体輻射(熱力学参照)、マイケルソン・モーリーの実験(波動参照)、ローレンツ力(電磁気学参照)、こういう事象を解析して行くと古典力学では説明できない事項が多く発見されました(凡そ十九世紀末にかけて)。ここに古典力学は新たな力学体系に解体されることになります。

そしてある時、人類の科学には「相対論」が燦然と現れました。これは「量子論」と双び、現代物理学の双璧であると謂っても過言ではありません。それほど偉大な理論なのです。

量子論はザックリとではありますけど、上にプランクの量子仮説を用意したので、そっちを見て下さい。

次元

量子論の前に次元の話をするべきであった。とは云え、次元とは空間についての話ではない。単位や物理量の次元である。

相対論

古典力学を解体した理論です。理解には線型代数とかリーマン幾何学の知識が必要なんだぜ。

相対性理論(Relational Theory)とは

独物理学者アルバート・アインシュタインによって生み出された 古典(=量子論に非対応)物理論のこと。
それまでのニュートン力学では時間は絶対の尺度であり、遠隔作用は 瞬間的に働くものだと思われていた。 それに対して、光速が普遍の尺度であり、時間系もその観測者の系によって異なる=相対的であることを提唱したのである。
彼はこの理論によって物理学における時間と空間、さらに質量とエネルギーを統合した。

一般相対性理論

  • 一般相対性理論?

特殊相対性理論

ノーベル賞のはなし(重力場の理論統合)

のおべる賞モノの発見や業績を遺したいなら、この分野は御薦めといいましょうか、世界中の物理学者が奮闘しているといいましょうか。

重力はよくわからん存在と謂われてます。計算上はもっと強くなければならないとか、宇宙全体の質量予測が変わると理論値が変わるとか、何だかめんどくさい奴です。「相対論」や「量子論」は多くの物理学の分野に「架橋」、すなはち統合を促してくれたわけですが、重力に関しては別です。

いかにして質量は重力を発生させそれは真空中を伝播するのか。仮定される「重力子」は重力を伝播させ、「重力場」は「電場」のように重力を与える力場・・・最近では「相対論」「量子論」を「統合・加筆」することによって、その説明を為そうとする理論が数多くあるようです。

個人的には仮説やらが多くありすぎてさっぱりよくわからんのですけれど、理論体系が整理されてゆく中で、工学的応用も数多くなされるであろうと期待しておるところ。同じ物を違う側面でみてるっぽい理論が多くあるのでしょう。

附録

参考書籍

勉強法としては「問題集をみてみる、できそうにない、なら参考書をみることにする」を繰り返す。参考書の部分が授業でもいい。参考書を見るのは、単元のセクション単位が良い。単元全てだと多すぎるし、問題事に参考書を見てるようではいけない。電磁気学なら、「磁気」「交流」「電磁波」とセクションで区切る。

こうしてある程度理解が及んでから、問題を解いて、理解を完全な物に近づけてゆく。つまり問題集をひたすらに説くべし。分からなくなったら、検索したり参考書を見直したり、理解を深め、わかるまで繰り返す。物理的な考え方より、厳密な数学としての解法を試みてみるとスッキリすることもある、そこで式の意味を考える。考えて納得するまでこれを続けること。

オリジナル数学Ⅲ(数研出版)
数学力が必要な事は上に述べたことからも明らかである。従って数研出版で尤もむつかしいとされるオリジナルを薦めたい。
新体系物理Ⅰ・Ⅱ(教学社)
古典的な物理の問題集。解説が簡素なので、予め参考書等で公式を理解しておくこと。基本的に指導者(or 参考書)が必要。
くわしい物理の新研究(洛陽社)
定評のある「くわしい〜の新研究」シリーズの参考書。「世界史」「化学」あたりもお薦めなんだが、まああまり関係がないよね。このシリーズは物事を「学問的」な視点で捉えてるから、高校と大学の中間程度の範囲を扱ってるように思える。学者からみると説明不足かもだけど、できうる限り高校生に知識を、という感じに編輯されてる。参考書はやり過ぎなぐらいが丁度いい分量ではないだろうか。

予備校系の参考書は、あたりはずれが大きく、個人的にはあまりお薦めしない。問題集ならともかく、参考書は学者が書くべきものだと思うから。ある先生が参考書の執筆は「学位論文に臨むよう」だと述べていたけど、まさしく、教えるというのは理解しようとする生徒と全力でぶつかる、これが大変なことなのであって、安直に公式だけ憶えてそれで問題は解けても、物理ができるようになるとは思えないから、ってのは上の方にも書いたような・・・。

ちなみに問題集は不親切なぐらいがいいと思う。考える時間を与えてくれるから。本当に重要な概念は見落としがちだから、急がず、立ち止まるべき。

参考URL

幾何学との対応

  • 橢円
  • 抛物線
  • 双曲線

この三線は、数学的にも、物理的にも重要な意味を持っている。面白い事に、この三線は円錐のとある三種類の断面に全て含まれていることが、古くはアポロニウスによって知られている。

地球儀における経線は並行であるが、極において交叉する。中学(そして高校)で学習する幾何学は、ユークリッドによるもので、ユークリッド的常識から考えて並行な線が交叉することはおかしい(第五公準の謎)。

これら昔年の問題を解決するために所謂リーマン幾何学は、曲率を定義し、公理体系を分離する。曲率は正(橢円)、零(抛物)、負(双曲)の三種の値をとり、それぞれが三線に対応する。リーマンは始め、球面(橢円空間)における幾何学を創始したため、リーマン幾何学は橢円幾何学とも謂う。また、古くから存在するユークリッド幾何学は抛物線の幾何学であり、一方で双曲線の幾何学が成り立つこともさるロシア人(そしてガウス)によって発見された。

つまり、ありとあらゆる平面の曲がり方は、この三種類に分類できると考えればよい。曲率のより具体的な形は、三角形の内角の和が三種類に分かれるとも表現できる。ちなみに双曲平面とは、橢円や抛物線は球面や(通常の)平面であるとはすでに述べたが、双曲平面の場合それは馬の鞍(くら)のような平面である。

これらは時折姿を見せてくれる。橢円は惑星の運動や、電子雲などに現れる。抛物線は物体の落下で現れ、パラボラアンテナのようにも利用される。双曲線は波の干渉点を結ぶ線や、電線の垂れ下がりなどに現れている。これらは運動やその状態の在り方に数学的に共通する要素を持っていることを表しており、今後物理をやっていく上で、数学的な意味の繋がりを意識した物理の世界観は、決して無駄にはならないと思われる。

微分方程式集

(\alpha)\ z = \frac{dy}{dx},\\ (\beta)\ z = \frac{d^2y}{dx^2},\\ (\gamma)\ y = -a\frac{d^2y}{d^2x}\ (a > 0),\\ (\delta)\ (\frac{dy}{dx})^2 + 2\frac{dy}{dx}y + 1 = 0
  • α:速度、加速度、角速度
  • β:加速度
  • γ:等速円運動、単振動
  • δ:擺線運動

高校物理の体系

高校物理の体系についてその学習指導要領に精通してるわけではないけれど、大雑把に分類すると、物理Ⅰと物理Ⅱで分類されます。物理の場合は力学は力学、波動は波動、と分割された理解と同時に、既習事項の再登場というのがよくあるので、物理ⅠだⅡだの区分であると、上手くいきません。なのでそれを無視した構成になります。なお物理Ⅱには化学同様に選択分野があります。

  • 力学;Ⅰ:力の釣合・運動の法則・力学的エネルギー・抵抗力等を受ける運動、Ⅱ:等加速度運動・運動量の保存・円運動・万有引力・単振動
  • 熱力学;Ⅰ:熱と気体、Ⅱ:【選択分野】気体分子の運動と状態変化
  • 波動;Ⅰ:波の性質・音波・光波

物理Ⅰ は上記の範囲になります。センター試験の物理Ⅰではこれよりすこし範囲が寛く、ジュール熱や電磁誘導・オームの法則や抵抗、その電圧降下等についても出題範囲です(個人的な話をすると、中学受験をしたのでオームの法則やらホイートストン電橋やらは小学校の頃に習った憶えがあって、特にこのことは違和感がないのだけれど、もしかすると中学で学習することなのかもしれないから、詳しい事は自分の胸に訊いて貰うか、だれか中学の指導内容について書いといて欲しい。)。まあでも、ジュール熱と電磁誘導の計算式とかは出ないけどね。センターだけを対象にするなら知ってるとイイぜって感じ。

  • 静電気学;静電気力・電場・コンデンサ(蓄電素子)・直流廻路、【選択分野】ダイオード等の整流子や重要な廻路素子
  • 電磁気学;電場と磁場・電磁誘導・交流廻路・電磁波
  • 原子物理学【選択分野】;電子と光・原子と原子核・他の近代的な原子論等

物理Ⅱは電気が中心になる上記の範囲。ところで「ミリカンの油滴実験」について、とある問題集は原子物理学の項にあるけど、とある参考書では静電学の所にあった。まあここは結構右往左往した学習になる。化学での知識があると、理解の早いところもある。逆に化学に役立つこともある。物理Ⅱの場合だと現代物理に近いために、近代の物理学が否定してきた現象についての言及があったりもする。ローレンツ力は習うけど、ローレンツ変換については、そのローレンツ収縮とエーテルの測定実験は、とかね。エーテルについては光波の問題、ローレンツ変換については電磁誘導の問題として確認するかもしれない。

選択分野は、東大なんかが出すぜみたいなこと謂ってるけど、たいした事は無い、分子・原子レベルでの物理現象についてだったりする。半分は化学でやることだと思う。X線を利用した格子間距離の測定とか、気体の状態方程式とかね。

物理の世界

理学部ノ人求ム。物理は数学が苦手だと御話にならない。大雑把にわけてみたが、需要があるのは、量子論と相対論か?

理論物理の系

物理にはいろいろあるけれども、

  • 古典力学(物理の基本。なんだかんだで奥が深い)
  • 熱・統計力学(熱力学から始まり、統計的側面、果ては物理化学まで)
  • 電磁気学(電気回路等の工学的側面と Maxwell の式に始まる理論的側面がある)
  • 連続体力学(特殊な力学の系。重要)
  • 振動・波動(何だか幅広い奴。重要)
  • 解析力学(変分原理・ハミルトン力学・ダランベールの原理・ラグランジュ力学)
  • 量子力学(前期量子論・後期量子論、行列力学と波動力学)
  • 相対性理論(特殊と一般)
  • 相対論的量子力学(相対論に対応した量子論)
  • 場の理論(場の古典論と場の量子論)
  • 素粒子物理学(後百年は工学と無縁じゃないか?;連中、やってる事が妖しくて、秘密結社みたいだ)

ちょっと専門的な香りがする理論物理学は、

  • 光学(幾何光学・量子光学・非線型光学)
  • 非線型物理学(Chaos, KdV: Soliton, Fractale, etc.)

とかか。列挙した順に習得すると理解できるかなと考えてる順で並べてあるけれど、理学系以外では相対性理論までやれば十分じゃないか?

応用物理の系

物理っぽい応用科学的な物と云えば、

  • 固体物理学(量子論が主な御友達だが、材料力学あたりとも仲がいい)
  • 物理化学(熱力学と量子力学が御友達)
  • 原子核物理学

特に機械工学系で重要になるのが(邦訳だと)力学の名を冠した奴で、

  • 材料力学
  • 流体力学
  • 機械力学
  • 構造力学
  • 破壊力学
  • 弾性・塑性力学

とか一杯ある(熱、材料、流体、機械は四力と呼ばれる)。あまり物理とは関係なくなってくるが、

  • 有限要素法(FEM 解析とか興味ありますか?)

とか、プログラムによる支援があって成立するような分野もあったり。工学系の人は自分の専門でない分野をやってみるといいですよ。